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日本の“虎の子”郵便貯金が国外に持ち出される?
郵政民営化の「基本」に立ち返る
今ではすっかり「政界の重鎮」としての座を獲得した感のある小泉純一郎元総理大臣。歯切れと要領の悪い福田康夫総理大臣を揶揄する勢力からは、「小泉カムバック待望論」も聞かれるようだ。
しかし、“コイズミ&Co.”が日本社会を「破壊ビジネス」で大混乱に陥らせたことを忘れてはならないだろう。政界では今や笑止でしかない小泉チルドレンたちも、思えばあの時(05年秋)に郵政民営化法案を通すために急遽こしらえられたチームなのであった。
そしてその後どうなったのか?民営化されたからといって、私たち=日本国民に対して目に見える利益を示すことができないジャパン・ポスト。そして、今年晩秋にも実施が予想されている衆院総選挙に向け、党執行部から「国替え」を強いられ、泣くに泣けない末路をたどっている小泉チルドレンたち。
その一方で、何が何だか分からないまま「安倍」「福田」と総理が代わり、何も決まらず、何も決定的には変わらないまま、日本では時だけが過ぎ去りつつある。
しかし、そんな中だからこそ確認しておきたいことがある。それは3年前に強行された「郵政民営化」の本当の狙いだ。それは、日本国民が汗水たらして貯め込んだ郵便貯金という名前の貯金箱を公然と国外に持ち出そうという米欧の「越境する投資主体」たちによる策動なのである。風化しつつある今だからこそ、このことが持つ重大な意味を声を大にして述べておきたい。「彼ら」は必ず刈り取りにやってくる。しかもひそやかに、である。
ドイツで始まった最大の脱税スキャンダル
あの時、小泉政権(当時)がモデルとして盛んに掲げたのがドイツにおいて郵政民営化の対象となったドイツ・ポストであった。ところがそのドイツ・ポストをめぐって今、大変な騒動が起きている。
去る2月14日、ドイツ・ポストのCEOであるクラウス・ツムヴィンケル氏に対して強制捜査が行われたのだ(その後辞職)。容疑は何と「脱税」。しかも国内で小規模行っていたのではなく、リヒテンシュタインの公的銀行「LGT」がその現場とされていたのだという。ドイツ政財界の大物、しかも「破壊ビジネス」の立役者に対する突然の強制捜査で今、ドイツ社会は揺れに揺れている。
例によって日本の大手メディアは欧州において大々的に取り上げられているこの事件を、今のところベタ記事程度でしか扱っていない。それもそうだろう、下手をすると自分たちがこれまで叫んできた、構造改革という名の「破壊ビジネス」の牙城であるジャパン・ポストと比較されかねないからだ。都合の悪いことは語らないし、取り上げない。これが日本の大手メディアの悪しき習性なのだ。
しかし、だからといって日本の個人投資家がドイツにおける事態の進展を無視していてよいわけではない。ここでそのもっとも重要なポイントを1つ挙げておこう。それは、どうやらドイツが情報機関(BND)まで動員し、昨年夏ごろより関連資料の収集に着手していたらしいということである。しかも、その資料には、ドイツ人容疑者だけが記されているとは断言できない。つまり、ここから世界的な脱税スキャンダルへと発展する可能性があるのだ。
そして、強制捜査が始まるタイミングで、ドイツ・ポストの虎の子「ポスト・バンク」の、コメルツバンク(ドイツ第3位の銀行グループ)への売却の話が進む気配が見えてきたのである。
つまりこういうことである。ドイツ勢は一方では「もっと逮捕するぞ!」と世界中に対していきり立ちつつ、他方で虎の子「ポスト・バンク」をドイツの資本勢力の中へと格納しつつあるのだ。サブプライム・ショックの中にあって米国の「越境する投資主体」たちの姿が時にくっきりと見え始めたドイツであるが、ポスト・バンクは徐々に「越境する投資主体」の手から遠ざかりつつある。
「親米」を唱えてもマーケットから抹殺される時代へ
日本ではこれまたほとんど語られることのないマーケットにおける真実として、米国勢と欧州勢、とりわけドイツ勢との間の暗闘がある。
一昨年から日本のマーケットでも明らかになってきたこの争いを、私は1月に上梓した『世界と日本経済の潮目 メディア情報から読み解くマネーの潮流』(ブックマン社)においてまずは説明した次第である。また、3月8・9日には福岡・神戸で、3月22日には横浜でそれぞれ開催する無料学習セミナーでも、このひそやかな戦いが持つ本質と、その向こう側に見える「潮目」についてじっくり語ることができればと考えている。
もちろん、現段階においてドイツ勢が本当に考えている狙いは分からない。これから連日拡大していくであろうドイツ、さらには各国における「脱税捜査」の波の中で少しずつ明らかになっていくことであろう。
それでもなお、1つだけ言えることがある。それは、「破壊ビジネス」を手伝い、明らかな「親米国派」であったとしても、決して永遠にセーフであるというわけではないということだ。米国勢はシステムを転換し、利益確定を行い、あるいはビジネス・モデルを見限る時、それまで各国において協力してきた現地エリートたちを見限るものである。
米国有名大学でMBA(経営学修士号)を取得し、米系経営コンサルティング会社の雄・マッキンゼーで大活躍したツムヴィンケル元CEOもまたその例外ではなかった、ということなのではなかろうか。
まさに「世界の潮目」である。完全民営化、すなわち上場され、ゆうちょ銀行という私たちの貯金箱が売り飛ばされる危機が数年後に控えているだけに、ドイツ勢がとった「国ぐるみの資産防衛」とでもいうべき措置は、私たちに多くの知恵を授けてくれるものであろう。そしてまた、3年前、「破壊ビジネス」の旗を小泉純一郎元総理大臣とともに振った協力者たちこそ、今や自らがターゲットになりつつあることに気づくべき時なのかもしれない。
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