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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080223-00000009-mai-soci
千葉・野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳(せいとく)丸」の衝突事故で、あたごの見張り員が衝突12分前に清徳丸とみられる漁船の灯火を確認した際、「相手が避けると思った」との趣旨の話をしていることが分かった。横須賀海上保安部(神奈川県横須賀市)は、あたごが清徳丸の左舷からほぼ直角に衝突したとみており、あたごが回避義務を怠った疑いが一層強まった。
横須賀海保の調べでは、清徳丸は船首部(11〜11.4メートル)と船尾部(5.8〜4.1メートル)の二つに分断され、操舵(そうだ)室がほぼなくなっていた。切断面に近い船首部の左舷側に、あたごの塗装とみられるグレーの塗膜片が計4カ所付着していた。
一方、あたごは艦首部分に清徳丸のものとみられる3色の塗膜片や傷が確認されたことから、同海保は2船がほぼ直角に衝突したとの見方を強めている。
防衛省などによると、あたごは衝突12分前に見張り員が清徳丸の左舷のものとみられる赤灯を発見した。衝突した場所の約4キロ手前、両船の距離は9キロ程度あったとみられる。
海上衝突予防法は船が海上で交差しそうになった際、他船を右方向に見る船が右に避けるルールを定めているが、あたごは自動操舵を続けた。
見張り員は関係者に「(このまま進んでも)避けられると思った」と話しており、漁船側が避けると判断したとみられる。清徳丸の僚船の船長らは「自衛艦など大型船は、小回りが利く漁船が回避すると思い込み、自分たちは漫然と進んでくる」と批判している。
灯火を発見したことは、見張り員からレーダー員には伝わらないままイージス艦は自動操舵で前進を続け、同じ見張り員が再び灯火に気づいたのは衝突2分前、漁船と認識したのはわずか1分前で、全力で後進をかけたが間に合わなかった。
こうした点から同海保は、あたごの見張り員の危険回避の判断が遅れたことが事故原因の一つとみて、引き続き事情聴取を進める。
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