★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK47 > 432.html
 ★阿修羅♪
言いたい! タレント知事は救世主か?(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/08/senkyo47/msg/432.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 2 月 18 日 18:41:57: twUjz/PjYItws
 

http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2008/02/18/20080218dde012010008000c.html

 大阪府の橋下徹知事が初登庁で「破産会社の従業員という認識を」と訓示すれば、宮崎県の東国原英夫知事は新年度から「アピール課」を新設すると発表した。相次いで誕生した“タレント知事”が注目されるが、地方の自立が求められる時代に、あるべき知事像とは?【大槻英二】

 ◇PRは主流の仕事ではない−−片山善博さん(前鳥取県知事)

 知事の役割の中で重要なのは、一つは民間企業でいう社長の立場ですが、もうひとつ、民意を踏まえて役所を正常化するという役割があるんです。後者の立場だと、職員の不祥事があれば摘発する側に回らなきゃいけない。ところが、前者に偏った知事が多い。庁内でまずいことがあると、かばったり、隠そうとする。

 なぜ、そうなるかというと、知事が日常的に職員に支えられているからです。例えば、議会の答弁を書いてもらったり、大事な問題でも事前に調整してもらい、調整が済んだものを報告してもらったりする。要するに、みこしに担がれた殿様になってしまうんです。

 「Leader」(指導者)には、所管する組織の基本方針や重要な案件については、自分の考え方が述べられる人がならないとだめなんです。ところが、用意された原稿を読むだけの「Reader」(朗読者)があまりにも多い。

 そういう意味では、大阪府知事になった橋下徹さんは「財政再建をする」と職員に明確なミッション(使命)を与えています。どこまで実現できるかはこれからですが、注目しています。

 地方自治体をだめにしている要因は、いくつかありますが、一つは議会への根回しです。本来、議会は公開の場で政策を競い合い、その中でみんなが納得して合意を形成するところなんです。それが、根回しをすると、形式的には数の論理で決まりますが、誰もが納得しないまま、場合によっては、よりいい選択肢が日の目を見ないまま終わってしまう。根回しをやめれば、議会は活性化します。

 知事の役割の中には、PRマンというのもありますが、それは主流ではありません。宮崎県知事の東国原英夫さんはPRマンとしては高い評価を受けていますが、それだけやっていればいいというものではないんです。組織管理や民意を組織に注入できているかなどの役割も含めた総合評価は、まだ見えてきません。

 知名度ばかりが先行し、政治手腕が未知なまま出てきた人が、本当にやってくれるかどうかはわからないんです。マニフェストはコピーアンドペーストすれば、簡単に作れる。知事は孤独ですから、よほどのパワーがないと組織に埋没してしまいます。知事をバックアップする政策集団が必要です。

 本当は、政党が候補者を選ぶ段階で、政策を実現する能力のある人をスカウトすることが大事なんです。ところが、出しやすい人、勝ちやすい人を担ぐから、選挙後でなければ吉か凶かわからない「おみくじ選挙」になってしまうのです。

 私は2期8年で辞めましたが、知事なんて一生する仕事じゃありません。転身する時期を間違えると、他の仕事ができなくなってしまいます。橋下さんも、長くやるつもりはないでしょうが、自分が本当にやりたいと思ったことに、信念を持って取り組んでみることでしょうね。

 ◇県民力引き出す手腕が必要−−元吉由紀子さん(プロセスデザイナー)

 橋下徹さんが大阪府知事に選ばれたのは、新しい風を吹かせてほしいという府民の期待の表れだと思います。タレントを選んだのも、行政のことをわかりやすく伝えてくれそうだという期待であり、これまでの知事や行政の言葉では府民にはわかりにくかったことの裏返しかもしれません。ただし、今の段階では可能性に懸けたということであって、新しいものがどんな形で生み出されていくのかについては、府民もよくわかっていないのではないでしょうか。

 かつて、著名人が知事に選ばれたとき、知事と職員とのあつれきが話題になりました。県民は知事の品定めをしているかのように見受けられました。タレントだから政治も行政もわからないだろうと言ってしまったら、その通りだと思いますが、ないものを指摘して足を引っ張り合ってもいい結果は生まれません。新しい知事を選んだ以上、トップが目指している方向に職員も県民も一緒に船に乗って力を合わせてこぐほうがいい結果をもたらす可能性があります。

 「県民総力戦」という言葉を掲げて、宮崎県を全国区に押し上げた東国原英夫知事は、その見本を示したのではないでしょうか。東国原知事は看板になっていますが、看板が大きくなった分、今度は中身を自分たちがつくらなきゃいけないと、職員や県民を奮い立たせた側面もあるように思います。

 私は99年から三重県の組織風土改革に携わって支援してきましたが、当時の北川正恭(まさやす)知事は「生活者起点」という明確な理念を示し、職員と対話を重ねることで、それが判断基準となるように浸透させていきました。県政は一人ではできません。知事の同志となる職員を何人つくれるかも大切です。

 職員には、知事の方を向く人と、知事と同じ方向を向く人がいます。似ているようですが、前者は知事の顔色をうかがう、いわば面従腹背であり、後者は知事と信念を共有し、自分で判断できる職員です。知事と職員の信頼関係が築けている県庁では、職員が知事と同じ言葉を話していることが多いものです。

 これまで長い間、県が国の機関委任事務を執行していた時代には、県庁は各部局が所帯として一緒になっているだけで、実態は省庁別の縦割り組織であり、職員は国の方を向いた仕事をしていました。だから、誰が知事になってもほとんど同じでした。ところが、00年に地方分権一括法が施行された後、「改革派」と呼ばれた知事たちはそれぞれの地域を経営する姿勢を持ち、地域によって差が出ることを明らかにしました。

 今、改革派知事たちが引退して、改革派という言葉が使われなくなったのは、もはや改革をするかしないかではなく、改革をどう実現していくかの実践力が問われる段階に進んだからだと思います。そういう意味では、知事だけが目立った時代から、今は知事とともに職員や県民も頑張る「県民力」が問われる時代になり、その力を引き出す手腕が知事には問われています。

==============

 ◇「夕刊とっておき」へご意見、ご感想を

t.yukan@mbx.mainichi.co.jp

ファクス03・3212・0279

==============

 ■人物略歴

 ◇かたやま・よしひろ

 1951年、岡山県生まれ。東京大法学部卒業。自治省を経て、99年から鳥取県知事を2期。07年4月から慶応大教授。著書に「市民社会と地方自治」。

==============

 ■人物略歴

 ◇もとよし・ゆきこ

 神戸市生まれ。株式会社スコラ・コンサルトに所属し、三重県や横浜市で組織風土改革を支援。著書に「どうすれば役所は変われるのか」。

毎日新聞 2008年2月18日 東京夕刊

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 政治・選挙・NHK47掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。