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2008.2.17(その2)
森田実の言わねばならぬ【101】
平和・自立・調和の日本をつくるために[97]
脱アメリカで日本は必ず甦る《6》アメリカからの政治的自立が日本の最大課題――政治家は自立心、独立心を持て。すべての米軍基地の撤去を主張する政治家がいないのはどうしたことか!?
「自由は責任を意味する。だから、たいていの人間は自由を恐れる」(バーナード・ショー)
[日本の政治家や官僚、大企業家は「日本人の独立」を恐れている。日本を日本人自身で運営しようとする自立心を失ってしまっている。異常である。この精神の頽廃を乗り越えることなしに、日本の真の独立はない]
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沖縄でまたも悲惨な事件が起きた。女子中学生が米兵に暴行されるという悲劇が繰り返された。許すべからざることである。米兵によって日本国民が蹂躙されたのだ。すべての日本国民が怒らなければならないことであるが、冷静にみると、アメリカ政府と日本政府は、一種のガス抜き工作のパフォーマンスを繰り返しているように見える。怒っているふりをしているように感じられる。沖縄県民と日本国民の怒りが早く治まるのを待っているように見える。
米軍と日本政府は再発防止を叫んでいるが、真の再発防止は、米兵への教育とか日米地位協定改正ではない。根本的解決は、すべての米軍が日本の国土から撤退することではないのか。日本の国土から米軍基地を全面的に撤去することではないのか。政治家の中に、このことを主張する者がいないのはおかしなことである。
世界には約200の国がある。ほとんどの国が、自国の安全保障は自国民の力で行うとの考えで生きている。大国で、自国の安全保障を他国にゆだねて、頼り切っている国は、日本だけではないか。日米関係は事実上の従属関係である。日本だけが、自分の国は自分で守るという独立心を放棄してしまっているのではないか。
日本は、第二次大戦の敗戦でアメリカの占領下におかれた。敗戦から数年後に日本は独立したが、この独立は形式的なものだった。アメリカは日本に形式的な独立を与えただけで、日本に真の独立を与えようとしなかった。1951年9月、サンフランシスコにおける講和条約締結と同時に、アメリカは日本に日米安保条約(第一次)を押しつけ、日本の軍事的支配をつづけた。さらに1960年の日米安保改定によって、あたかも日米関係が対等化したかのごとき演出を施したが、これはアメリカの日本占領を恒久化するものだった。
敗戦から62年半が経った。日本の指導層は、骨抜きにされた。精神構造までアメリカに従属するようにされてしまった。
日本(沖縄)の女子中学生が米兵に陵辱されても、怒るふりしかできない日本の政治家――この従属精神を叩き直すことなしに、日本の独立は戻らないであろう。
[森田実著『脱アメリカで日本は必ず甦る』(日本文芸社刊)は2月25日に全国の書店で一斉に発売されます。読んでください――森田実]
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