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http://mainichi.jp/select/world/news/20080214dde007030010000c.html
米ニュージャージー州知事:「制裁的暴力使うな」 死刑廃止、強く訴え
【ニューアーク(米ニュージャージー州)小倉孝保】米連邦最高裁の合憲判断(1976年)を受け死刑を復活させた37州で初めて昨年12月に死刑を廃止したニュージャージー州のジョン・コーザイン知事(61)が、ニューアークで毎日新聞と単独会見した。知事は、「暴力(犯罪)をなくすために死刑という制裁的暴力を使うべきでない」と語った。
死刑を廃止すべきだと考えた理由について知事は、(1)州が設置した委員会の研究結果から、死刑の適用が経済的、人種的にみて特定の階層に偏っていることがわかった(2)死刑を継続することによる(犯罪を低下させるなどの)実質的成果が、そのためにかける州民の税負担に比べ小さい(3)自分を含め、暴力(犯罪)を避けるために死(刑)を使うべきでないと考える人がいる−−の3点を挙げた。
また知事は、「議会と行政が、制裁的な暴力をなくすことを民主的に選択した意義は大きい」と述べ、他州に与える影響についても、「地すべり的に死刑を廃止する州が出るとは思わないがメリーランドなどいくつかの州が論議を始め、死刑の適用を再検討し始めている」と数州が死刑廃止に動く可能性があるとの認識を示した。
さらに、知事は「これまでの死刑囚の仮出所の可能性をなくし、しかも刑務所内でも終生、他の収容者と一緒にしないことを決めた」と決定に際し、できる限り被害者感情に配慮したと主張した。
日本などで死刑が存続していることについては「民主的な方法で国民が(死刑存続を)選択している限り、反対できない」と述べた。
米国では、72年に連邦最高裁が死刑を違憲と判断し全米(50州)で死刑が廃止された。しかし、76年に最高裁は判断を覆し、死刑を合憲としたため、死刑を復活させる州が相次ぎニュージャージーを含む37州が死刑を規定した。しかし、死刑廃止の声が高まり、21州(同州を含む)では行政が死刑を凍結し執行は行われていない。
ニュージャージー州では昨年12月、上下両院が死刑廃止法案を可決、知事が署名した。
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■人物略歴
◇ジョン・コーザイン
47年米中西部イリノイ州生まれ。69年にイリノイ大を卒業、73年にシカゴ大大学院で経営学修士。その後、投資銀行のゴールドマン・サックス勤務などを経て00年に民主党から連邦上院議員に当選。イラク戦争に反対した上院議員23人のうちの1人。06年1月より州知事。
毎日新聞 2008年2月14日 東京夕刊
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