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2008年02月10日
読者の助言に従って読みやすく行間を空ける工夫をしてみました
万能細胞をつくった山中伸弥教授に魅力を感じる
京大の山中伸弥教授のチームが、人の皮膚から万能細胞をつくる事に成功したというニュースが流れたのは、昨年末であったと記憶している。それ以来私はこの中山教授の言動を注意して見聞きしてきた。そして何故か山中教授に惹かれるものを感じてきた。
これほどの発見をしながら浮ついたところがない。整形外科医の落第生から基礎研究に転じた事を素直に述べ、研究は膨大な失敗の中からたまたま生まれた僥倖であると言い、失敗に耐えた若い研究生たちへの感謝を繰り返す。欧米との競争の厳しさや、克服すべき問題は山積する、しかし一日でも早く実用化にたどりついて患者を喜ばせたい、と淡々と語る山中教授には、昨今流行の自分を売り込むパフォーマンスがまったく感じられない。私欲優先の世の中に一服の清涼感を感じさせる。
しかし私が山中教授に惹かれるのは、これらの理由だけではない。どこかで目にした彼の次の発言に、山中教授の、国家権力に対する反骨心を見つけたからだ。彼は新しい細胞を発見するために膨大なペーパーワークを行政から求めら、予算をそのために雇う人件費に使わざるを得ない事、それを研究にまわせたらどんなに嬉しいか、だから一回の申請で済む万能細胞を作りたかった、というような発言をしていた。言葉はおだやかだが、今日の政府・官僚の無駄、無能に対する強力な批判であると思って読んだものだ。
その山中教授が10日の読売新聞で次のようにインタビューで答えていた。
・・・日米の幹肝細研究は、マラソンで言えば、米国は研究者を支援する体制が整い、個人に合わせたウルトラスペシャルドリンクが1キロごとにおいてある。一方、日本は一人で、「水があればいい。根性で行け」という。同じコースで走ったら勝てるわけがない・・・(どうすればいいか)。できることは二つある。一つは棄権すること。もう一つは、負けるとわかりつつも頑張る。棄権すると、ここから先の知的財産はすべて外国のものになる。日本発の技術が応用された時に莫大な特許料を払わなければならなくなる。だから棄権はできない。米国の十分の一でもいいから知財を出し続ける努力をすることだ・・・資源もない日本で、科学技術は世界で優位に立てる原動力。欧米と比べ貧弱な環境のなか、日本の若手研究者はよく頑張っている。研究環境をよくしてあげて、基礎研究に若い人が集まるようにしないといけない・・・
誰がこの言葉を否定できようか。行政が山中教授の反骨心に反撥して冷たいのではない事を願う。行政が万能細胞の発見の本当の凄さに気がついていない事がないように願う。医学会の権威、重鎮たちが一人の傑出した人物の成功を妬んでいるのではない事を願う。
山中教授と若い研究者たちの成果が、間違いなくノーベル賞を獲得して世界の人類に貢献できるよう、官民をあげて支援する日本にならなければいけないと思う。
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