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昨日から衆議院予算委員会の質疑が始まった。平成9年1月、私は自治大臣・国家公安委員長として大臣席に座った。総括質疑といわれる日程では全大臣が答弁席に座らされる。総理大臣や大蔵大臣などは答弁の機会があるが、自治大臣などには普通ほとんど答弁を求められることはない。それは本当に長く、辛い仕事である。ちょうど予算委員会の総括質疑の前に、ロシアのナホトカ号の原油流失事故があったため、それに関連して自治大臣として答弁を求められたので、少しは救われた・・・・・。 昔は総括質疑が現在よりも長く行われた。丸一日答弁席に座らされて、答弁の機会が一回もないというのは、ある種の難行苦行であった。現在はなぜか知らないが予算案を審議する総括質疑も一般質疑も短くなった。予算の年度内成立は普通のこととなった。昔はそうはいかなかった。社会党を筆頭に野党は徹底的に質疑したものである。おかしな答弁をしたために首の飛んだ大臣を私はなんどもみてきた。審議ストップもよくあった。大出俊代議士のように“止め男”なる異名をもつ政治家もいた。それにはやはりそれなりの技術があった。単なる我がままで予算委員会を止めることなどできない。最近の野党はちょっとお行儀が良すぎるようである。 今回の予算委員会は財務金融委員会とセットで進められることになるであろう。予算委員会は歳出を決める委員会である。いっぽう財務金融委員会は予算の裏付けとなる歳入を決める委員会である。今回はガソリン税の暫定税率を10年間延長する租税特別措置法改正案が最大の焦点になる。今年は時間があるときには私も財務金融委員会を傍聴しようと思っている。今年の予算委員会や財務金融委員会の質疑は、野党にとって正念場である。また総括質疑が終了したことには厚生労働委員会も面白くなる。年金の問題がまた大きな争点になるかである。 かつては予算委員会といえば、防衛問題が大きな争点となったものである。最近では防衛問題が予算委員会で議論されることが少なくなった。防衛費はその額も大きいし、ブラックボックスに入っているものが多い。この防衛費にはおかしな者が群がっていることは昔から指摘されてきた。守屋前事務次官の逮捕だけで防衛利権問題は終わりなのか。絶対にそんなことはないと私は思うのだが・・・・。守屋前事務次官のゴルフ接待だけで幕引きとは検察はいったい何を捜査したのだろうか。これは“逆”国策捜査ではないのか。野党はもっと執念をもって防衛利権を調査し、追及しなければならない。 衆議院予算委員会と参議院予算委員会の双方でこれから50日間くらい質疑が行われる。財務金融委員会も平行して開催される。この質疑には野党の力量が厳しく問われる。国会は数で勝敗が決まるが、議論の質でも決まるのである。自公“合体”政権は数の力で勝負をしようとしているが、国会というのはそれほど簡単なものではない。国民の心にある疑問や怒りを凝縮した発言で政権を追い詰めたとき、国会の議席とは違う世論が必ず沸騰する。そのピークを3月下旬のXデーにもってこなければならない。野党は必ず勝てる、と私は考えている。健闘を期待する。 それでは、また。 |
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