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れんだいこのカンテラ時評366 れんだいこ 2008/02/03 19:57
【2008.2.3日NHK日曜討論の道路特定財源法議論考】
2008.1.30日、与野党は、道路特定財源法のつなぎ法案を廻る攻防下で、異例の衆参議長斡旋による「年度内(3月末まで)に一定の結論を得る他三項目案」を受け入れた。2008.2.3日のNHK日曜討論が、道路特定財源法議論を特集していた。前半のさわりを聞いたが、これに関して思うところが有るので一言発信しておく。
何事も歴史を知らねばならない。という訳で、れんだいこは既に「田中角栄の議員立法」の「道路法について」で道路特定財源法の由来史を検証している。次に、2006.12.11日付のれんだいこのカンテラ時評242の【道路特定財源制度の一般財源化の虚妄】でコメントしている。格納しているサイトは「道路特定財源の一般財源化考」である。
(http: //www.marino.ne.jp/~rendaico/jinsei/mineicaco/dorozaigenco.htm)
NHK日曜討論に於ける民主、共産、社民三党の「道路特定財源を廃止し一般財源化せよ」論に疑問があるので再度コメントしておく。野党は、政府のやる事に難癖つけてスタンドプレーする事が習い性になっている。それで構わない事例が多いが、時にそうでない場合がある。「道路特定財源を廃止し一般財源化せよ論」は最新のこの事例であるように思われる。
現行の道路行政に対する批判であれば構わない。鋭くメスをいれ、どこをどう機構改革及び計画見直しするのか議論すればよかろう。しかし、「道路特定財源を廃止し一般財源化せよ」となると話は別である。それが本当に正しい処方箋だろうか。
一体、野党諸君は、道路特定財源法の由来について真摯に考えた事があるのか。れんだいこ理解に拠れば、道路特定財源法は、田中角栄の議員立法による1952年以来の折衝で、大蔵省の強い抵抗を押し切って勝ち取った歴史的壮挙であった。左派系の者なら本来、大蔵省の一元支配という絶対権力に風穴を開けたことを評して喝采を贈るべきことである。ところが、今日びの左派は宮顕−不破系日共の如くことごとく本来の共産党的在り方から逸脱しており、よく聞いてみれば単にネオ・シオニズムの忠実な下僕でしかないからして、角栄がらみの事に条件反射的に反対する癖がある。
これを共産党の名を語ってやられるものだから堪ったものではない。多くの者は共産党とはそういう主張をするのかと面食らったり失望してしまい、かっての人民大衆の先頭に立って献身した姿よりも最近の姿を知るにつけ嫌悪の情を強めてしまっている。ここに日共支持の伸び悩みがある。これに代わる党派が台頭しないので相変わらず党中央の座椅子に温もっておられるだけのことに過ぎない。
それはともかく、民主党の識見無能はとめどない気がするのは、れんだいこだけだろうか。先のテロ特措法では、海上自衛隊の再派遣に関連して、陸上自衛隊まで送り込む魂胆を明けすけにしていた。幾らかの制限をつけていたから良いようなものの国連軍指揮下ならという条件で自衛隊の海外派兵を押し進めようとしている。日本左派運動が飲める話ではない。小沢代表は、自衛隊の海外派兵は憲法違反であると不退転の主張をし、これを我々が支持したのだから筋を通せば良いのに、国連軍なら別だという論法を編み出し政府与党案よりも更に突出した方向へ自衛隊を誘おうとしている。ここら辺りが小沢の限界かも知れない。
これに続いて、こたびは「道路特定財源を廃止し一般財源化せよ論」の提唱である。れんだいこは急速にこの党の無能さを味わいつつある。本来主張すべきは、内治主義政策として勝ち取られた道路特定財源の意義を称揚し、その非利権的有効化を目指すべきである。去る日、田中角栄が提起した日本列島改造案を評価し、これに基く基幹道路網の一層の整備促進を図るべきである。都市と農村、表日本と裏日本の地域格差を是正すべく列島改造するという案は今なお有効であり、その政策が停止させられつつある事こそ批判すべきである。
それを何と、日共の口車に乗せられ、「道路特定財源を廃止し一般財源化せよ論」に唱和している。小泉が構造改革と称して打ち出した政策であるが、何とその小泉政策に戻れと言っているに等しい。その小泉は在任中、ことごとく戦後主流派を形成したハト派の内治主義政策の成果を解体し、ネオ・シオニズムの指針する外治政策に狂奔し、専守防衛区域は東南アジアまでとする政府の何度もの国会答弁確約を反故にし、自衛隊を一挙にインド洋、ペルシャ湾まで派兵せしめるという暴挙に踏み切った。引き続いて基地移転、ミサイル防衛網、戦略兵器の共同開発に卒倒すべき予算を計上している。返す刀で日本の国家的民族的解体へ向けての様々な陰謀的政策を導入してきた。
民主−日共−社民は何と、この政策の延長上で口をパクパクしているに過ぎない。「国民の声を聞け」とスタンドプレーしているが、国際ネオ・シオニズムの裏御用聞きをしているだけではないのか。国民は本当のところは「つなぎ法案」自体はどうでも良いのだ。ガソリン代の急激な値上げに悲鳴を上げており、暫定税率廃止で安くなるのなら歓迎としているだけで、それは緊急間に合わせのものであることを知っている。
根本は石油調達のオイルメジャー支配からの脱却にこそある。オイルメジャー政策によるガソリン代操作をこれほどいとも簡単にさせられる状況をこそ危ぶむべきだろう。一体、誰がこういう仕組みに誘導したのだ。角栄−大平同盟が主流派であった時代、石油調達はオイルメジャーに依存しながらも民族系石油会社が数社育成されており、カウンター勢力になりえていた。今このラインが解体されており、オイルメジャーの思うがままに操られるようになってしまっている。これを問う事こそが政治で有り、野党の任務とすべきところ、このように論を立て立ち向かう者がいない。
あろうことか、その昔権限を奪われた大蔵省の策略に誘導され、当然ネオ・シオニズムの内治主義破壊政策に乗せられ、何ら合理性の無い「道路特定財源を廃止し一般財源化せよ論」で政府与党に立ち向かい、テレビ映りを気にしながら歌舞伎役者を気取っている。愚劣極まれりと云うべきだろう。
こういう倒錯がどこから発生するのか。それは、歴史観の歪みからとしか考えられない。彼らは、本来英明な政策ばかりであった戦後政府を主導した自民党ハト派の政策を否定し、構造改革という名ばかりのむしろ反動政治に狂奔しつつある。全てが現代世界を牛耳る国際金融資本帝国主義政策の御用聞きでしかない。一挙に事が進められないので与野党に分かれて両面から揺すっているだけのことで、所詮気楽な雇われ稼業でしかない。
こういう馬鹿らしい政治を弾劾せよ。「道路特定財源を廃止し一般財源化せよ論」を唱えるのなら、道路特定財源を導入した経緯、その後の経緯、現段階での改革案と云う風に立論すべきところ、姑息な事に角栄の偉業を思い出させないネオ・シオニズム戦略に従い、極力角栄の名を出さないままの議論に耽ろうとしている。しかし、それは無理な話である。白を黒と云い含める詭弁なくしては越せまい。
2008.2.3日付け日経新聞26面の「視点」が、この問題を解説している。参考になるので、れんだいこが補足しつつ要点を整理しておく。
ガソリンにかかる税金のうち揮発油税と地方道路税の二つを合わせてガソリン税と呼ぶ。ガソリン税として集めた税金は原則として道路の建設や整備に使う。このように使い道を限定した財源を「特定財源」と云う。「特定財源」には、ガソリン税の他に軽油取引税や自動車重量税などがあり、これらを合わせて「道路特定財源」と云う。
「道路特定財源」制度は1954年にできた。来るモータリーぜーション時代の到来を見据え道路建設を急ぐ必要があったところ、一般財源から回される予算では足りず、高速道路を有料化し、その利用者の受益者負担原則で税金を徴収すると云う方法で資金調達する事にした。有料道路を利用する者が予想以上に多く、その税金で更に有料道路を造っていく手法で急速に日本列島上に基幹道路網を整備する事ができた。
1974年、財源を増やすために「暫定税率」の仕組みを導入した。本来の税率に暫定的に上乗せする仕組みとした発足したが、2−5年の期限のたびに延長され現在まで上乗せが続いている。ガソリン税の税率は現在の1リットル152.9円の場合、53.8円(本体89.8円、本来税28.7円、暫定税25.1円)。軽油取引税などにも設定されている。
道路特定財源の税収は、2008年度国・地方合計予算でガソリン税3兆683億円、軽油引取税、自動車重量税などで2兆3360億円で合計5兆4043億円。暫定税率を全廃するとした場合、ガソリン税1兆6379億円、軽油引取税、自動車重量税などで1兆1660億円で合計2兆8039億円。
現在の暫定税率は2008.3月末で期限切れを迎えている。政府は、昨年末に策定した「2008年度から十年間に59兆円の道路事業費が必要」とする中期計画案に基き、向こう十年延長する法案(租税特別措置法改正案)を今国会に退出した。
民主党は、「暫定税率を全廃してガソリン値下げにつなげるべきだ。それが国民生活のためになる」などと主張し反対している。暫定税率を止めると、ガソリン1リットル当り約26円安くなり、道路特定財源が2008年度で約2兆6千億円減る試算になる。政府与党は、「暫定税率をなくせば税収が減り、道路整備が遅れ、地方自治体収入が減り、財政悪化に繋がる」などと反論している。
さて、以上から、本来どう議論すべきであろうか。れんだいこならいとも簡単である。道路特定財源の意義を知り、これが正しく活用されているかを吟味する。有料道路料金を値下げする。特に本四架橋のように顕著な赤字の場合、思い切った低料金化する。不要道路を作らせない。必要道路は大いに作る。官僚の栄耀栄華はさせない。ガソリン料金の高騰に対して、他の供給ルートを探り対抗させ引き下げる。軍事防衛費をそれまでのようにせめてGNPの1%枠まで戻す。基地移転やらミサイル防衛網やら戦略兵器開発費用などに税金を使わせない。つまり、内治と外治の拮抗であり、全体に絡めて議論せねばならないだろう。そういうことになる。
2008.2.3日 れんだいこ拝
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れんだいこ 人生学院
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