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http://www.amakiblog.com/archives/2008/02/05/#000699
2008年02月05日
これが米国の現実であり、日米同盟関係の実態である
米国では4年に一回の大統領選挙が熱を帯びてきている。とくに今年の選挙はブッシュの再選はなく、ブッシュ政権下の副大統領であったチェイニーが後を引き継ぐという事もない。まったく新しい政権が誕生する事になる。しかも混戦である。熱を帯びるのは当然だ。
しかし誰が新しい大統領に選ばれようとも、米国の将来は多難である。これを見事に示したのが4日に発表されるブッシュ大統領の最後の予算教書演説である。
今日の各紙は一斉にその内容を報じている。一言で言えば、クリントン政権の財政黒字を引き継いだブッシュ政権は、その7年あまりの間に全てを消費しつくしたばかりか、過去最大(04年度の4127億ドル)の財政赤字に匹敵する4000億ドルを超える財政赤字を残して去ろうとしているということだ。
しかも、この赤字解消は、今度ばかりは容易ではない。あらゆる経済指標が米国の先行き不安を示している。ブッシュ大統領自らが「景気の減速を示す深刻な兆候が出ている」、「52ヶ月ぶりに米国内の雇用者数が減少した」などと認めざるを得ないのである。
米国経済悪化の最大の原因は、サブプライムローン問題という形で露呈した金融資本主義の行き過ぎである。実物経済の100倍とも200倍とも言われている巨大なペーパーマネーを作り出し、本来の経済活動を無意味なまでに貶めてしまった。その米国のグローバリゼーションが、文字通り世界経済を襲った。
今ではあらゆる識者がこの米国経済の空洞化の深刻性を指摘し始めた。サブプライムローン問題の全貌は誰もつかみきれず、だからこそ効果的な対応策は見出せないと、皆が言っている。問題が深刻化するのはこれからだ、と警鐘を鳴らしている。
それにもかかわらず、米国の株価は上昇している。この異常な現象にこそ、米国経済、いや世界経済の異常さが現れている。それは一言で言えば金融創造で膨れ上がった巨大なペーパーマネーに世界経済が汚染されてしまったということだ。不健全なマネーゲームから抜け出せなくなっているという事である。濡れ手で粟をつかむ形で手にした金は、もはやどのように危険な状況であっても、投機に向かわざるを得ないのだ。そしてその投機に勝つためには、誰かにババをつかまさなくてはならない。世界経済は、嘘や情報操作という不正と、常に抱き合わせになってしまった米国経済に付き合わざるを得なくなってしまったのだ。
しかし、私が今日のブログで指摘する米国の異常さはこれではない。これほどまでに赤字が膨らんでいる財政を抱えてなお、米国の2009年度(08.10−09.9)の国防予算案は過去最高の5154億ドル(前年度比7・5%増)の要求がなされているという事である。しかも、ブッシュ大統領は、この国防予算とは別に、イラクやアフガニスタンにおける対テロ戦争経費として700億ドルの補正予算まで要求しているという。
史上最高の赤字財政の中で、史上最高の軍事予算を組み続ける、そんな手品のような事がどうしてできるのか。それは世界から金をかき集めているからだ。そしてその米国を無条件で支え続けて来たもっとも忠実な国が日本である。
今日本は国民の生活さえ満足に面倒を見られないほど財政状況が悪化している。そんな中で政府は更なる増税が不可避だという。その一方で政官財による税の無駄遣いが国民の怒りを買っている。しかし本当の問題は、そのような無駄遣いとは桁違いの予算が日本国民の犠牲の下に米国に流れているという事なのである。
政府はその事を正直に国民に説明しなければならない。その上で、それでも「日米同盟維持は国益だ」と言わなければならない。メディアはその事を国民の前で大きく報道しなければならない。
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