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2008年02月02日
中国ギョーザ騒動の裏で隠されているもっと重要な事
容易に想定された事とはいえ、メディアは中国ギョーザ問題一色だ。
中国ギョーザ問題は国民の生命にかかわる事であるから大騒ぎとなるのは当然だ。しかしこの問題は日中政府の冷静な対応で早急に問題を解決しなければならない。危機管理の問題である。政治的に悪用されてはいけない。
なぜ私が危惧をこめてそう主張するか。
一つは、この問題が日中両国の関係に悪影響を及ぼすおそれがあるからだ。それはお互いの政府、国民にとって何のためにもならない。日中両政府はこの認識に立って、一日もはやく原因を突き止め、対応策をとる、そして国民を安心させ、日中経済関係に与える悪影響を取り除くべきである。原因が中国側の衛生問題にあるのなら、いたずらに中国の非をあげつらうのではなく、その改善策を両国で協力して講じればいいのだ。もし今度の事件が単なる事故によるものであればそれは自己防止策の問題である。そして、もし今度の事件が犯罪的行為であれば、犯罪者を突き止める。犯罪の責任が日中いずれにあるかによって、問題の様相はまったく異なってくる。要するに、今急がれるのは真相究明を早急に行って問題を解決する、国民の不安を取り除き、日中経済関係に悪影響を与えないように危機管理をする、これである。その責任はもちろん両国政府にある。
中国ギョーザ問題の大騒ぎを危惧するもう一つの理由は、この報道に隠れて、もっと重要な問題から我々の関心が遠ざけられる事だ。だからと言って今度の事件が陰謀であると言うつもりはない。しかしそこまで疑うぐらいに、我々はメディアの影響力、情報操作力を知らねばならない。そして権力がメディアを利用する事実を思い起こさねばならない。
ガソリン税問題があっという間にうやむやに終わってしまった。私はこのブログで何度もガソリン問題がすべてだと書いてきた。それはもちろん極論である。他にも重要な問題は多々ある。賛成・反対の二者択一ではなく、様々な議論を重ねて結論を出すべきだと言うのは建前としてはそうである。
しかし昨年7月の参院選挙以降の政治の現実を見たときに何が一番重要であるか。それは小泉改革で破壊された日本を、政権交代という最もドラスティックな形で立て直す事ができるか、どうか、という問題であった。自民党永久政権と官僚癒着がここまで弱者の国民の生活を犠牲にしてきた、その事実が明らかになった中で、昨年の参院選挙によってまがりなりにも参院で野党が優勢になった。「ねじれ国会」のおかげで小泉・安倍政権の一方的な強硬姿勢に歯止めがかけられそうになった、だからはやく総選挙を経て、自公政権の継続でいいのか、政権交代を望むのか、国民が決めるところまで日本の政治はたどり着いた。そして自公政権は世論からの支持を今度こそ失いかけていた。ここで解散に追い込めれば歴史が変わっていたのだ。自公政権は必死だった。なりふり構わず政権を維持しようとした。
ガソリン減税問題の熱が醒め、すべて吹っ飛んでしまった。本来はこの日本政治史上の大問題がメディアで大報道されなければならないのに、もはや幕引きムードだ。おまけに政治は政界再編に走り出した。かくして日本の政治は何もかわらないまま国民だけが取り残されていく。
その一方で異常な事が置きつつある。日教組が集会を拒否された。別に日教組の肩を持つつもりは無いが、右翼の街宣が怖いからと言って裁判所の判断を無視して反権力組織の集会を拒否するなどということは憲法無視が大手を通っているということだ。しかし誰も騒がない。護憲正統派やられっぱなしだ。
メディアでつくられた大阪市長が地方住民は国政に関与するなと、岩国市の基地受け入れ反対を批判する発言をした。それが当たり前のごとく報道されている。この国は間違った方向へ大きく歩き始めつつある。
猛烈な勢いで政府の圧力が井原岩国市長にかかっている。岩国住民の包囲網が敷かれている。メディアはその事に警鐘を鳴らそうとはしない。あと数時間後、私は岩国市で岩国市民にこの危機を訴える。
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