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2008年01月29日
一般大衆の心をとらえるのはどちらか
もの凄い勢いで政治が動いている。しかも、それは既存の政治を変えるという変革の方向ではなく、自公政権の生き残りをかけたなりふりかまわない巻き返しに、野党第一党の民主党がなすすべもなく押し切られる形で。弱小の護憲イデオロギー政党が結束できず、ますます一般大衆の心から遠ざかる形で。
大阪府知事選挙の民主党候補の惨敗は、大阪府民の心をとらえる魅力的な候補者を民主党が立てられなかった時点でとっくに決まっていた。参院選挙の結果が民意だと言い続け、民主党公認であれば誰でも選挙に勝てると思い込み、本気になって最強の候補者を探そうとしなかった民主党の自滅である。護憲イデオロギー政党に至っては、橋下叩きに終始した。あれでは大阪府民の心をつかむ事は到底出来ない。
日々の生活に精一杯の一般大衆にとって、選挙で誰を選ぶかは、所詮は好感度であり感性、直感である。政策を理解した上で投票するのは一部の政治好きの者たちに過ぎない。あれだけの大差での勝利である。橋下が一般大衆の心に響いたということだ。
メディアに露出していた橋下が有利であった事はその通りだろう。そうであれば最初からメディアを味方につける努力を最優先すべきであった。
メディアが権力に迎合しているのは事実だろう。権力がメディアを使って情報操作する事は今に始まった事ではない。野党にはそのハンディを克服する覚悟が最初から必要である。そのハンディを上回るエネルギーを投入して、メディアを味方に引き込まなければならなかったのだ。
メディアは権力に迎合する番組ばかりを流しているわけではない。そんなことをすれば視聴者から総スカンを食うだろう。メディアを動かすのは視聴率である。だから政治はメディアの先の視聴者、つまり一般大衆の心にどう訴えるかの競争である。そのためにはテレビ番組編成の実態を知る必要がある。
1月29日の日刊ゲンダイに、政治評論家の有馬晴海氏が、「テレビに出て一番驚いたのは」と題して次のような極めて興味深い事を話していた。
「(テレビの)生番組に出てみて感じるのは、もう少し解説の時間を与えてくれたら、順序だてて、丁寧に説明できるのに、ということです。小泉元首相みたいなワンフレーズのズバッとしたコメントがテレビ向きなのでしょう。でも、複雑な政治の問題を一言で説明するには限界があって、正直、難しいと思う事がありますね。それに、インタビュー取材の場合、一時間ほど費やして、実際に放送されるのは、10秒間のコメントが2回ほどということもしばしば・・・(インタビューを各局から受けて)その時感じたのはテレビの人たちがあらかじめ決まった答えを求めてくるということ。たとえば『公設秘書の給料って高すぎませんか』と唐突に質問される。その秘書が20代なら高すぎるだろうし、50代なら低すぎるわけで、一緒くたに論じる趣旨のものではないと感じました(が、そういってしまっては番組にならないのです)・・・」
このコメントこそ今のテレビ番組の正体を見事に言い当てている。私の数少ないテレビ出演の経験からも全くその通りであると思う。そしてこのテレビの正体を知った上でテレビを利用しなければならない。党の顔として国民の感性に誰よりも訴えられる議員をテレビに露出する、そして番組のストーリーさえも、都合にいいように導いていく、そういう努力をするのだ。その決め手になるのは視聴者の好感度を高める事である。自らの議員の風貌、話術、感性によって視聴率を上げる、そういう努力をしてメディアを味方にするのである。
ガソリン問題が最後の与野党攻防になってきた。いよいよ自民党はガソリン問題の一点突破を狙ってきた。民主党は党の存亡をかけてガソリン問題で一般国民をひきつけることだ。自民党の強硬姿勢を逆手にとって、これを迎え撃つ覚悟でなければならない。書生議論を繰り返していてはいけない。抵抗をひるんでは行けない。生活に困窮している一般国民の怒りの火を燃え上がらせる事だ。自分だけが勝手に燃えていては世論は逃げる。
29日のTBSは特定道路財源を使って国交省が大阪の地下駐車場を作っていた事を報道していた。多くの駐車場が既に多く存在する大阪市街の真ん中に、100億円もかけて200台の地下駐車場をつくっているのだ。一台あたり5000万円の建設コストはべらぼうに割高だという。しかもその経営が天下り先の財団法人である。税金でつくった駐車場の収益が国庫に返納されずに天下り役人の収入となって懐に入っているのである。こんな事は報道でもされない限り一般国民は誰も知らないであろう。知らないところで我々の税金が私物化している。
これこそが今の日本に蔓延している泥棒国家の実態である。
民放メディアもこういう告発報道をするのである。民主党は今こそメディアを味方につけ、国民の怒りの炎に火をつけなければならない。この戦いに自民党と正面から取り組む、その事に民主党の命運がかかっている。日本の政治の将来がかかっている。ガソリン暫定税率の存否をめぐる与野党の攻防から目が離せない。
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