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http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10067952082.html 2008-01-25 12:45:47 一見良いことのようにみえる「取り調べ適正指針」であるが、問題がある。取調室の監視・監督を行うのが同じ警察の一部門、つまり身内であることだ。警察が身内の不始末に甘い体質を持っていることはしばしば指摘されている。 この点を地方紙社説がいくつか指摘しているので、転載しておこう。各紙が異口同音に指摘するのは、録画・録音などの導入による取調室可視化の必要性である。 ========================================== http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/72399.html <北海道新聞>取り調べ指針 身内の監督で大丈夫か(1月25日)
gataro-cloneの投稿
取り調べ指針 身内の監督で大丈夫か?/求められるのは取調室の可視化である。
テーマ:連帯:真の立憲民主主義国建設に向けて
全取調室に透視鏡 警察庁、冤罪防止へ「適正化指針」(朝日新聞)と報じられたように、警察は冤罪防止策として取調室を監視・監督する部門を設置するなど、「取り調べ適正化指針」を発表した。富山県警による強姦(ごうかん)事件の冤罪や鹿児島県警摘発の選挙違反事件の無罪判決を受けての対策である。
鹿児島、富山両県警で昨年、取り調べをめぐる不祥事が相次いだことを受け、警察庁が「取り調べ適正化指針」をまとめた。
全国の警察本部に、取り調べ状況を監督する部署を設けることが柱だ。深夜や長時間の取り調べを禁止する措置も盛り込んだ。
「密室」と批判される取調室に監督制度を導入する初の試みだ。うまく機能すれば、捜査の透明性と信頼性を高めることになるだろう。
ただ、監督する部署は同じ警察組織内に置かれる。身内のチェックだと、対応が甘くならないか、懸念が残る。
「指針」が形だけの再発防止策になれば、警察への不信感が増すだけだ。
新たな監督部署は、警務・総務部門に設けられる。「刑事の聖域」とされる取調室に透視鏡を設置し、不適正な取り調べがないかをチェックする。
問題は、どのような行為が不適正なのか、判然としないことだ。
「指針」は、「監督対象行為」として、「容疑者の尊厳を著しく害する言動」や「不安を覚えさせ、困惑させるような言動」などを列記している。
「尊厳」や「不安」をどう受け止めるかは、捜査員や監督者の主観に委ねられる。恣意(しい)的判断が入り込み、捜査部門と監督部署が対立して、あいまいな決着になることも予想される。
「指針」と合わせて、警察庁は、鹿児島、富山両県の冤罪(えんざい)・無罪事件についての「検証報告書」も発表した。
「自白に頼りすぎた捜査」や「強圧的な取り調べ」を問題点として指摘した。これを防ぐため、「指針」は、不適正な行為があれば、懲戒処分の対象とする措置を打ち出した。
だが、これが十分に機能するためには、監督者の権限を明確化し、警察組織内部での独立性を担保することが前提となる。「指針」は、そこまでは踏み込んでいない。
監督者が、不適切な行為だと判断して報告すれば、容疑事実が立件できなくなる可能性もある。身内に厳しい姿勢を示せなければ、制度が有名無実化するだけだろう。
警察庁は、日本弁護士連合会などが求めている取り調べの録画・録音について、導入を見送った。
カメラなどが入ることで、捜査対象者から供述を引き出しにくくなるという理由だ。
警察庁は、この監督制度の導入によって、可視化の議論に決着をつけたい意向だ。
だが、鹿児島、富山両県警事件の背景には、取り調べの密室性とその弊害があったことを忘れてはならない。
日弁連は、取り調べの可視化を強く要求している。警察庁が、可視化なしでも大丈夫だと言うのなら、その理由と具体策を日弁連に説明し、新制度の実効性を立証していく責務がある。
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http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/index.asp?syasetsuNo=1080
取り調べ指針 身内の監視では心許ない(新潟新聞)
自白を強要し、アリバイなど客観的な証拠をなおざりにする。冤罪(えんざい)を生んできた温床だ。富山県の強姦(ごうかん)冤罪事件、無罪となった鹿児島県の選挙違反事件では、そんな自白偏重の捜査が厳しい批判を浴びた。
警察庁はこの反省に立って両事件を検証し、その結果とともに新たな取り調べの指針を公表した。最大の眼目は、警察内部に取り調べの監督担当課を設けることだ。すべての取調室に透視鏡を設け、内部の様子を監視する。
警察の捜査部門にとって、捜査と留置を分離した一九八〇年以来の大改革という。指針は、容疑者の身体に触れることや不安を覚えさせる言動、事前承認がない深夜の取り調べなどを監督の対象に挙げている。密室捜査の改善を目指したものだ。
しかし、監督担当者が常時取り調べの様子を監視しているわけではない。そもそも、身内によるチェックで監督機能が働くのかどうか。実効性については心許(もと)ないと言わざるを得ない。
吉村博人警察庁長官は指針の公表に当たり「不当な取り調べを監視する仕組みを打ち出した」とし、取り調べを録音・録画する「可視化」にあらためて否定的な見方を示した。
来年春から市民参加の裁判員制度が始まる。日弁連は分かりやすい裁判のために可視化の全面導入を主張している。そんな中での警察庁の指針には、可視化を回避する狙いがあるのではないか。そんな疑問が生じる。
富山、鹿児島の両事件から学び取るべきはむしろ可視化の早期実現だ。鹿児島県警では自白を得るため、家族や親類の名前を書いた紙を踏ませる「踏み字」という時代錯誤の取り調べを行っていた。
座っての尋問に耐えられなくなった被疑者を簡易ベッドに寝かせて尋問を続けた。被疑者がやっと目を開いて答えるような過酷な取り調べが、七時間にも及んだという。
富山の場合も、犯行時に固定電話から通話したというアリバイや靴の足跡の大きさが違うという事実は、真犯人逮捕まで無視された。検証結果は「自白に依拠し十分な捜査ができなかった」としている。人権侵害も甚だしい捜査が指針だけで根絶できるのか。
自白は重要な証拠だが、採用されるには任意性が確認されねばならない。裁判員制度が迫る中、国民はこの当たり前のことに不安を抱いている。
警察庁が今回のような検証結果や指針を公表するのは初めてという。指針を生かすために監督担当者に独立性を持たせるなどの工夫をしてほしい。
警察は信頼回復のために指針で事足れりとせず、可視化の実現に向けても知恵を絞るべきではないか。
[新潟日報1月25日(金)]
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http://203.139.202.230/?&nwSrl=222576&nwIW=1&nwVt=knd
【取り調べ指針】 身内の監視だけでは(高知新聞)
2008年01月25日08時11分
強圧的な取り調べによる冤罪(えんざい)事件などを受けて、警察庁が取り調べの適正化に向けた指針をまとめた。
捜査部門以外が取り調べを監督・監視することによって、容疑者の尊厳を害する言動など自白強要につながる行為を防止するのが柱だ。しかし、それで信頼を回復できるかどうかは疑問といわざるを得ない。
指針策定のきっかけとなった富山県の強姦(ごうかん)冤罪事件や鹿児島県の選挙違反事件では、自白偏重の密室捜査の問題点が浮き彫りにされた。鹿児島県の事件では長時間の取り調べや「踏み字」が明らかになっている。
すべての取調室に透視鏡を設置して監視するようになれば、取り調べ担当者の不適切な行為にブレーキをかける効果はあるはずだ。今回の措置がうまく機能するなら、問題点の改善には役立つだろう。
ただし、捜査部門以外とはいっても警察内部の人間であることに変わりはない。監視や監督がどこまで徹底されるのか。身内に甘い体質が指摘される中、両事件の元被告らが内部による監督だけでは不十分と批判するのも当然といえる。
冤罪事件などの再発防止のためには、取り調べが適切に行われ、自白が客観性の高い証拠であることが明らかになる仕組みが欠かせない。来春に迫った裁判員制度導入に向け、調書の信用性をめぐる裁判の長期化を防ぐ上でも重要だ。
その方法として日弁連などが求めているのが、取り調べの過程を録音・録画する「可視化」だ。民主党は既に可視化を義務付ける刑事訴訟法改正案を提出している。
これに対し、検察当局は一部の録音・録画の試行を始め、警察庁も可視化論議そのものには柔軟な姿勢に転じている。ただし、全面的な可視化は両者ともに反対姿勢を崩していない。「取り調べの機能を完全に阻害する」ことなどを理由に挙げているが、分かりにくい。
昨年十一月には大阪地裁が殺人未遂事件で、取り調べ状況の一部を録画したDVDを基に、捜査段階の自白調書には「任意性に疑いがある」として証拠採用を却下した。翌月には東京地裁が別の事件で逆に任意性を認める判断を示している。
両地裁の判断は、取り調べの一部ではあっても録画の有効性を物語っていよう。冤罪事件などの再発を防ぐため、可視化に向けた論議を進めていくべきだ。
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