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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-01-21/2008012101_02_0.html から転載。
2008年1月21日(月)「しんぶん赤旗」
「ねんきん特別便」体験談
ごみ箱にと思ったが 見て仰天 12年空白
社保庁に電話する事が大事
難読氏名や姓変更は要注意
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政府が約五千万件ある未統合の年金記録問題を解決するために、すべての受給者・加入者約一億人に対し「ねんきん特別便」の発送を始めてから、一カ月がたちました。しかし、「訂正」を求める人が受け取った人の約5%にとどまるなど、問題点が明らかになっています。昨年、「特別便」を受け取った東京都江東区の男性(75)の体験は―。
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昨年暮れに「特別便」を受け取りました。チラッと見てゴミ箱にと思いましたが、つぶさに見て仰天。十二年間が空白になっていたのです。
私は六十歳から、月額十二万円弱の年金を受給しています。まさか自分の記録が「宙に浮いて」いるとは思っていませんでした。
改めて職歴を書き出してみました。すると、三十―四十代にかけて、江東区と新宿区でそれぞれ会社を経営していたときの記録が漏れていることに気付きました。
「特別便」の封筒に書かれている「専用ダイヤル」に電話しました。説明すると、パソコンで記録を調べているようすでしたが、該当しそうな記録があったようです。「江東社会保険事務所あての封筒を送るので、それに必要書類を入れて郵送してください」と言われました。
封筒は速達で送られてきました。それを使い、「特別便」に同封してあった「訂正あり」の書類に記入して郵送すると、二日後、手続き完了の連絡がありました。かなりの額が戻ってくることになり、驚いています。
私の場合、下の名前の読みがヨシマサでなく「シセイ」「シショウ」とされていたため未統合になっていました。転職の経験がある人や、名前の読みが難しい人、姓が変わった人などは要注意だと改めて思いました。
年金は高齢者にとって命綱です。自分からはデータを示そうとしない社保庁の対応は極めて問題です。同時に私たちも、「特別便」を受け取ったら、すぐに「訂正なし」と回答するのではなく、周りの助けも借りて、社会保険庁に電話することが大事だと思います。
「ねんきん特別便」に欠陥
記憶喚起の改善急務
(写真省略)07年末までに48万人に送付された「ねんきん特別便」
社会保険庁が昨年末までに「ねんきん特別便」を送付した四十八万人のうち、加入履歴の訂正を求めてきた人がわずか5%程度の二万人強にとどまっていることは、現在の「特別便」のやり方では年金記録問題の解決に限界があることを示しています。
「特別便」は、未統合になっている五千万件の年金加入記録の解決を目指すもので、昨年十二月から今年十月にかけて、すべての受給者・加入者に送られます。
なかでも、今年三月までに「特別便」が届く人(約一千万人)は、未統合の年金記録のなかに、氏名、生年月日、性別の三点で突き合わせたとき、その人に結びつく可能性の高い年金記録が見つかった人たちです。この時期に「特別便」を受け取った人は、受給者の場合、放っておいたら本来もらえるはずの年金額が支給されていないだけでなく、今後もらえる年金も減らされ続けることになります。
それなのに未回答が三十一万人、「訂正なし」が十四万人にものぼるのは、「特別便」の記載方法に根本的な欠陥があるためです。本人と結びつく可能性があるのに、その記録はもちろん、それをうかがわせるヒントさえも一切明示されていないのです。
極めて分かりにくい内容のため、編集局にも「昔のことは思い出せない。妻は認知症だし私は足が悪く、相談にも行けない。一体どうしたらいいのか」(「特別便」を受け取った都内の九十代の男性)といった声が寄せられています。
社会保険庁は、「他人になりすまして年金を受け取る人がいる」などという理由で、本人が思い出して申し出ない限り記録を訂正しないという「申請主義」の立場をとり続けています。
これだけ欠陥が明らかになった以上、日本共産党などが以前から要求してきたように、結びつく可能性の高い記録の時期や、会社の所在地、会社の頭文字などを知らせ、本人が記憶を呼び起こしやすいように改善することが急務です。(坂井希)
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