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2008年01月21日
対米従属を繰り返す事によって失うもの
何故か大きく報道されないが、新テロ給油法に基づいて給油を再開しようとする日本政府が、今度こそ流用疑惑を招かないように使途検証をさせてくれと頼んだところ、米国がこれを拒否したという。検証を約束させられるぐらいなら給油は断るとまで言ってきたらしい。驚いた。これでは米国自身が流用疑惑を認めたようなものだ。
しかし私がもっと驚いた事は、石破防衛大臣が、「防衛大臣の責任で決める。そこまで疑ったら同盟関係とは何かとなる」などと、これまでの国会答弁を覆して米国の無理な要求をあっさり認めた事だ。その昔外務省の幹部が省員に対し「米国は日本を守ってくれのか、などと疑う事は、同盟国の米国さまに失礼だ」と訓示を垂れた。あの言葉とそっくりだ。流用しても目をつむりますからどうぞ給油を受けとってください、と石破大臣は言っているのである。
そういえば19日の各紙は、なぜか小さな記事であったが、来日中のセドニー米国防次官補代理が、普天間飛行場の移設問題について、「移設先や滑走路の形は日本政府から提案があり、米国としてパーフェクトではなかったが合意した。合意した計画は履行されるべき」と、一切の交渉を受けつけない発言を記者会見で行ったと報じていた。日本政府と沖縄県がこれだけ難交渉を重ねて妥協点を見つけようとしているのに、まったく歯牙にもかねない態度だ。次官補代理ごとき下っ端役人に、そこまで言われているのである。
これだけではない。「思いやり予算はビタ一文まけない」と言ってほぼ全額どおり向こう3年間毎年2000億円を超える予算を日本側に認めさせたのは、昨年12月であった。テロ給油などよりも米国は駐留米軍の予算を確保することのほうをはるかに重視し、福田首相に念を押していたのだ。薬害訴訟であれほど時間がかかった福田首相の「政治決断」は、米国に対しては二つ返事なのだ。
しかし、この程度で驚いてはいけない。米軍再編にともなうあらゆる不合理な米側の要求がこれから怒涛のように押し寄せてくる。1兆円とも3兆円とも言われる根拠不明の沖縄海兵隊グアム移転の経費、イージス艦や迎撃ミサイルシステム導入の更なる強化、自衛隊の米軍傭兵家など、気が遠くなりそうな無体な要求が続く。
米国という国は一切の譲歩をしない国である。弱いものに対しては徹底的に高圧的になる国である。自分の利益が損なわれるとなると、怒り狂う国である。
そのような国の要求を、日米同盟最優先だからといってなんでも丸呑みしてしまう日本政府の対米従属外交。これを繰り返す事によって一体何が失われるのか。
それは勿論我々国民の安全と豊かな暮らしである。しかしもっと深刻な問題がある。政府や官僚は嘘をつき続けなければならない。本当の事を明らかにすると、さすがに国民も、それはないだろう、ということになる。説明できないから隠し続け、嘘を重ねる事になる。おかしいと思う自分自身まで欺かなければならないのだ。自分を騙さなければ、さすがに官僚たちもこれ以上の対米従属を続けることはつらい。そこで自分自身の良心までも欺く事になる。
その結果何が起きるか。モラルの崩壊である。人間性の崩壊である。「日米同盟」の重要性を訴え続ける政治家や官僚はもとより、その政策を国民の前で擁護し続ける御用学者は、長年の嘘の繰り返し、自己欺瞞の積み重ねによって、内部崩壊していくのだ。
そんな連中にまともな仕事が出来るはずは無い。気力は萎え、物腰、顔つきまで悪くなっていく者のなんと多いことか。対米従属外交の真の怖さはそこにある。
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