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http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20080121ddm003040072000c.html
クローズアップ2008:「今後も衆院再可決」世論調査で反対過半数 切り札に高い壁
毎日新聞が19、20日に実施した全国世論調査からは、与党が衆院の3分の2以上の賛成で法案を再可決する手法に対し、世論が一定の歯止めをかけようとしていることが浮かんだ。内閣支持率も「低空飛行」の状況が続く。政党支持率では久しぶりに自民党が民主党を一歩リードしたものの、通常国会の本格的な与野党攻防を控え、福田康夫首相の政権運営は「茨(いばら)の道」が続くことを予感させた。【川上克己、竹島一登】
◇与党に慎重論/民主手ぐすね
衆参両院で与野党勢力が逆転した「ねじれ国会」の中、再可決は憲法59条に基づく与党の「切り札」だ。新テロ対策特別措置法への行使では「妥当だ」46%、「妥当でない」44%とほぼ二分された評価が、他法案での再行使に対しては「賛成」38%、「反対」51%。与党にとって厳しい結果となった。
内閣支持別、政党支持別に見ると、さらに苦しい事情が浮かび上がる。「新テロ特措法は妥当」「再行使に賛成」と回答した再可決支持派は、内閣支持層がそれぞれ66%、62%だったが、不支持層は31%、20%。自民支持層は69%、62%、公明支持層が57%、58%なのに対し、民主支持層は31%、21%、無党派層は40%、31%だった。
「身内」は今回と再行使に対する評価にあまり差がないが、それ以外の層は「切り札の乱用」を許さない人が多い−−。そんな世論が浮かび上がる。
再行使が取りざたされているのは、ガソリンにかかる揮発油税の暫定税率の存廃問題。与野党が激しく対立したまま、3月末の期限切れに向かいそうだが、調査結果は与党の国会運営を制限する可能性がある。
「『再可決に反対』という声の多くは、与野党が合意形成に向けて努力すべきだという意見だろう」
自民党の大島理森国対委員長は20日、毎日新聞の取材にこう指摘した。野党との接点を探りたいとの思いが強くにじんでいた。
一方の民主党は、菅直人代表代行が「ガソリン税(暫定税率)のような生活にかかわるものまで衆院の多数で押し通すのはダメだとの意思表示だ」と分析するなど、調査結果に勢いづく。
民主党はもともとガソリン1リットル当たり約25円値下げにつながる暫定税率廃止方針について「世論の理解を得られる」としてきた。鳩山由紀夫幹事長は20日のNHK番組で「暮らしにかかわる問題で与党が再可決を使った場合、問責をせず黙って見ていることにはならない」と語り、今回は見送った首相問責決議案の提出に言及しながら与党をけん制した。
◇肝炎救済でも低迷−−浸透弱い、「福田色」
「今こそ首相が強い政策メッセージを打ち出すべきだ。波は高いが、年金問題の解決などで、ビジョンを示す必要がある」
自民党の加藤紘一元幹事長は20日、内閣支持率の低迷についてこう語った。
同党の閣僚経験者は「前防衛事務次官の汚職事件が響いている」と個別テーマによる低迷との見方を示すが、この見方は少数派だ。党幹部からは「『福田カラー』の浸透には時間がかかる」との声が漏れており、「ねじれ国会」の中で反転攻勢の機会をつかみかねている首相には当面、厳しい局面が続くことになりそうだ。
それは数字からも読み取れる。
昨年12月の前回調査の後、国の責任が問われた薬害C型肝炎訴訟が決着した。首相の対応を「評価する」と答えたのは58%で、「評価しない」の35%を大幅に上回った。しかし、対応を「評価する」と答えた人でも、福田内閣を「支持する」のは46%にとどまり、「支持しない」が36%に上った。政府主導の決着ができず、議員立法による解決を選択した首相に対しては「決断の遅れ」も指摘されており、この問題が政権浮揚につながっていない現状が浮かび上がった。
また、18日の施政方針演説で首相は「生活者、消費者が主役となる社会」を訴えたが、内閣不支持の理由で「首相の政策に期待できないから」が50%に達するなど、有権者には響いていないことがうかがえた。
「その場しのぎの人気取りの政策を打っても、国民はレベルの高い目で政治を見ている」。民主党の山岡賢次国対委員長は攻勢を強める考えを強調した。
◇小沢氏退席響く?−−政党支持率、自民が逆転
政党支持率は、自民28%(前回比2ポイント増)、民主24%(同3ポイント減)など。「支持政党はない」と答えた無党派層は37%(同2ポイント増)だった。自民が民主を上回ったのは、福田政権発足直後の調査以来ほぼ4カ月ぶり。小沢一郎民主党代表が新テロ特措法を再可決した衆院本会議を途中退席したことが影響したとの見方が出ている。
自民、民主の支持率は安倍政権では自民リードが続いていたが、参院選直前の昨年7月に自民22%、民主24%と逆転。福田政権が発足した昨年9月には、自民が再び逆転したが、年金記録漏れ問題などを受け、自民はリードを守れなかった。
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◇世論調査の質問と回答◇
◆福田内閣を支持しますか。
全体 前回 男性 女性
支持する 33(33)31 35
支持しない 45(44)54 37
関心がない 18(21)13 23
◇<「支持する」と答えた方に>支持する理由は何ですか。
自民党の首相だから 27(22)28 26
首相の指導力に期待できるから 9(11) 6 10
首相に安定感を感じるから 36(37)37 36
首相の政策に期待できるから 21(13)22 20
◇<「支持しない」と答えた方に>支持しない理由は何ですか。
自民党の首相だから 9(12) 9 10
首相の指導力に期待できないから 29(28)27 32
首相に清新なイメージがないから 10 (8)10 10
首相の政策に期待できないから 50(40)53 46
◆どの政党を支持していますか。
自民党 28(26)26 29
民主党 24(27)28 20
公明党 5 (4) 4 6
共産党 3 (3) 3 3
社民党 2 (1) 1 2
国民新党 1 (0) 1 0
新党日本 0 (0) 0 −
その他の政党 0 (1) 1 0
支持政党はない 37(35)36 37
◆新テロ対策特別措置法が成立し、自衛隊がインド洋で実施していた他国艦船への給油活動が再開されることになりました。給油活動の再開に賛成ですか、反対ですか。
賛成 47 50 45
反対 42 46 39
◆参議院で否決された新テロ対策特別措置法を、与党は衆議院の3分の2以上の賛成で再可決しました。この手法を妥当だと思いますか。
妥当だ 46 50 42
妥当でない 44 47 42
◆今後、与党が予算関連法案など他の法案で、衆議院の3分の2以上の賛成で再可決することに賛成ですか、反対ですか。
賛成 38 38 38
反対 51 57 45
◆新テロ対策特別措置法の再可決をめぐり、民主党は福田首相の問責決議案の提出を見送りました。この判断は妥当だと思いますか。
妥当だ 48 54 43
妥当でない 35 39 31
◆薬害肝炎訴訟で、被害者全員を一律に救済するための法律が成立しました。政府の対応策では決着せず、議員立法での救済になりましたが、あなたは、この問題をめぐる福田首相の対応を評価しますか。
評価する 58 57 60
評価しない 35 40 30
(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満、−は回答なし。無回答は省略。カッコ内の数字は前回12月15、16日の調査結果。
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◇調査の方法
19、20の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査し、全国の有権者1031人から回答を得た。
毎日新聞 2008年1月21日 東京朝刊
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