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http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20080121.html#no_1
社説(2008年1月21日朝刊)
[海自給油活動]
転用防止は新法の前提
海上自衛隊のインド洋での給油活動をめぐり、日本政府が提供燃料の使途について検証できるよう明文化を要求したのに対し、米政府が拒否し、日米の交換公文に盛り込まれない見通しとなった。
米側は「作戦行動に影響を及ぼし、決して受け入れられない」と主張し、日本側が譲歩しなければ、給油を受けないこともやむを得ないとけん制している。
新テロ対策特措法をめぐる国会審議では、海自が米艦船に提供した燃料のイラク作戦への転用疑惑が大きな問題となり、与野党攻防の焦点にもなった。日米両政府はそろって転用を否定したが、疑惑が晴れたとは言い難い。
対テロ新法は給油をテロリスト海上阻止活動に限定しており、転用の防止は新法の必須の前提条件である。その根幹を揺るがす重要な問題だけに、あいまいな決着は許されない。
米側は当初、燃料の目的外使用禁止が明示されなかった旧テロ対策特別措置法に基づく交換公文と同じ文言を主張。日本側が転用防止の担保を再三要請したのに対し、米側は「いちいち確認できない」と拒否した。
さらに対テロ新法が海自の給油海域としている「インド洋」について、実際の活動に即してインド洋北方の「アラビア海北部」とするよう求めた。
米側は作戦行動の柔軟性を確保するため、日本側の対テロ新法に制約されたくないというのが本音だろう。だが米側の主張を許容するような事態になれば、憲法上重大な疑義が生じる。
政府は対テロ新法に基づく実施計画を決定し、海上阻止活動に従事する他国艦への補給活動を実施すると明記した。転用疑惑を受けて、「法の趣旨を踏まえて、これ(水と油)を諸外国の軍隊等に譲与する」としている。
政府は対テロ新法の趣旨を逸脱する給油活動を容認すべきではない。少なくとも、補給燃料の使途を検証できないのであれば給油をやめるべきだ。
対テロ新法をめぐっては国内世論が割れ、新法成立の手順も異例の展開となった。参院では民主党など野党の反対多数で否決され、衆院での再議決で成立した。再議決による成立は五十七年ぶりのことである。
イラク戦争への転用疑惑が浮上した際、米側は油の使途を明確にすることは「複雑な作業で困難」(国防総省)と認めていた。米艦船への給油活動自体が構造的な問題をはらんでいる。
あいまいな運用では憲法九条に抵触し、アリの穴から堤が崩れる事態に発展しかねない。米側の主張は予想されたことであり、政府は対テロ新法の趣旨に沿った運用に徹するべきだ。
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