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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080121k0000m010133000c.html
政治とカネ:政治団体献金、実態は企業 規正法「抜け道」
「政治団体」による献金でありながら、実態は企業献金と疑われる事例が横行している。政治資金規正法では原則として企業から政治家への献金を禁止しているが、政治団体による献金は認められる。企業の役員が設立したり、社員が事務を担当する政治団体が与野党議員に広く資金提供する姿に、専門家は「形を変えた企業献金といわれてもしかたがない」と指摘している。【杉本修作】
「新政治問題研究会」(東京都千代田区)は、準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の営業管理部長が95年、同社の退職と同時に設立し代表に就任。06年末に解散するまでの10年間、毎年総額1300万〜7500万円を、自民党の高村正彦外相、二階俊博総務会長、民主党の小沢一郎代表、山岡賢次国対委員長など与野党の有力者の資金管理団体や、国会議員が代表を務める政党支部などに献金した。知事や市長などもいる。
研究会の政治資金収支報告書などによると、献金の原資は会員から集めた月1万円の会費と政治資金パーティーの収入。しかし、会員数は年によって13〜1410人まで変動するなど不自然で、会員名も、パーティー券購入者も不明だ。
元営業管理部長は「私の個人的政治信条で立ち上げた団体。会社とは一切関係ない」と説明。西松建設も研究会との関係を否定するが、献金を受けた自民党の元参院議員は「窓口は西松建設の副社長だった。領収書は政治団体名で発行するよう指示された」と話す。
日本商工会議所の神谷一雄特別顧問が社長を務める電子機器製造会社「松久」(港区)。社内に政治団体「経済政策懇談会」(93年設立)が置かれている。同社の監査役が代表を、社長室長が今も事務担当を務めている(代表は07年春で監査役を退任)。
懇談会の献金額は毎年約300万〜1000万円程度。森喜朗元首相や町村派の政治団体「清和政策研究会」など自民党国会議員の団体に幅広く献金している。06年の献金先は17議員・団体に上る。
原資は年3回開催する政治資金パーティーの売り上げ。六本木の会員制高級クラブを会場としながら、会場費・飲食代などの経費は総額10万円以下が多い。5万円の経費で、26倍の130万円を売り上げたものもあった。パーティー券購入者の記載はない。懇談会は「会社の経営と団体運営は直接関係ない」とコメントする。
企業内に政治団体が置かれるケースは多い。東京都内のソフトウエア会社の「環境整備推進研究会」もその一つで、代表は同社の社長。グループ会社に一般廃棄物処理会社があり、研究会は「環境整備議員連盟」の国会議員に献金している。同社の取締役が代表を務める政治団体はほかにもある。
▽政治資金に詳しい岩井奉信・日本大教授(政治学)の話 会社の役員などが、政治団体と説明しても、企業と一体化していると受け取られるケースではないか。日本の政治資金制度は形式的に金の流れのつじつまがあえばいいというもの。企業の影響が強い政治団体の存在は法の抜け穴になっており、全体的な法の見直しが必要だ。
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