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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008011802080314.html
2008年1月18日 朝刊
【ベルリン=三浦耕喜】米国が旧東欧のポーランドとチェコに施設建設を計画しているミサイル防衛(MD)をめぐり、ポーランドなどと米、ロシアとの駆け引きが活発化している。かつてはロシアへの警戒感から米国への協力姿勢が目立ったポーランドだが、昨秋の政権交代とともに方針を転換。ロシアとの関係改善を進める。末期を迎えたブッシュ政権の足元も見透かしながら、ポーランドはチェコを巻き込んでMD受け入れの条件をつり上げ、米国を悩ましている格好だ。
ポーランドのクリフ国防相は十五日、ワシントンでゲーツ米国防長官と会談。同国防相によると、会談でポーランド側は、MD受け入れの見返りとして同国の防空能力強化を支援するよう米側に求め、米側も検討することで一致したという。
米国が新たな見返りを検討する構えを見せたのは、MDをめぐりポーランドが慎重姿勢に転じたためだ。
ポーランドでは、昨年十月の総選挙で民族意識に訴えたカチンスキ前首相が敗北。外交政策で融和路線を取るトゥスク首相が新たに就任した。
前政権はロシアへの対抗から親米路線をとり、イラクへの部隊派遣を継続したほか、MDも積極的に推進する立場を取っていた。しかし、トゥスク政権は今年中にイラクから撤退する方針を表明。MDについても「コストと利益とのバランスが見えない」(クリフ国防相)と、懐疑的な見方に転じた。
一方、新政権はロシアとの関係改善を推進。今月十日にはロシアのキスリャク外務次官をワルシャワに迎え、MDへの対応について説明した。ロシアもポーランドからの食肉禁輸を解除する方針を示すなど、具体的な動きを見せている。
さらにポーランドは、
既にMD受け入れを表明しているチェコにも根回しを図る。トゥスク首相は十日、プラハでチェコのトポラーネク首相と会談。会談後、トポラーネク首相は「交渉はスピードよりも中身が重要だ」と述べ、米国との交渉は急がない方針で両国は足並みをそろえた。
ポーランドの方針転換には、もともとMDに対し慎重論が根強かった国内世論に加え、MDを推進したブッシュ政権が末期を迎えていることも影響している。ポーランドのシコルスキ外相は「受け入れに同意すればポーランドは政治的コストを負う。米国の政権が交代して施設建設がなくなればそれこそ最悪のシナリオだ」と拙速を戒める。
ライス米国務長官は来月一日、ワシントンでシコルスキ外相と会談する予定だが、MDをめぐり早期に話をまとめるのは難しい情勢だ。
<ミサイル防衛(MD)> 米国が中心となって開発・配備を進めている弾道ミサイル迎撃システム。欧州ではポーランドに迎撃ミサイル基地を、チェコにレーダー施設を建設する計画。米国はイランから飛来する弾道ミサイルに備えるものだとしているが、ロシアは自国の安全保障を脅かすとして反発している。
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