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http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/115526
昨年の自動車生産台数で初めて世界トップとなるトヨタ自動車をめぐり自民、民主両党が激しい鞘(さや)当てを展開している。民主党の小沢一郎代表が昨夏、トヨタ労組幹部出身の直嶋正行参院議員を政調会長に抜擢(ばってき)すれば、福田康夫首相は昨年末にトヨタの奥田碩相談役(元会長)を内閣特別顧問に任命して対抗した。双方の思惑は、次期衆院選で関連・下請け企業を含めると膨大になるといわれる「トヨタ票」を獲得することにもある。
「今年の政界キーワードは『トヨタ』だ。自民、民主のどちらがトヨタを味方につけるのか。全国では100万票規模になり、選挙の行方も左右しかねない」。自民党閣僚経験者はこう語る。
トヨタ自動車グループ(子会社のダイハツ工業、日野自動車を含む)の昨年の総生産台数は951万台の見込みで、世界トップの座に76年間君臨してきたライバル、米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜き去り、初の世界1になることが確定している。平成20年には世界の自動車メーカー初の1000万台超えも夢ではなくなった。
衆院解散・総選挙の足音が近づいてくる中、このガリバー企業を政界が放っておくわけない。
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先手を打ったのは小沢氏だった。
昨年7月の参院選で勝利した小沢氏は8月末の党執行部人事で、直嶋氏を政策立案の要「政調会長」に据えた。民主党で参院議員がこのポストに就任するのは初めてで、政権交代を目指す中、参院議員が衆院選の政権公約(マニフェスト)責任者を務めることに党内では異論もあった。
小沢氏は「衆参まさに挙党一致を、新しい体制を作ろうという思いで考えた」と強調したが、民主党関係者は「小沢氏の周到な選挙戦略がある」と明かす。
直嶋氏はトヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)入社後、全トヨタ労連専従などを経て、3年に自動車総連副会長に就任した経歴をもつ。「トヨタ系労組票を丸抱えするための小沢人事。トヨタの牙城である愛知県をはじめ、すそ野企業への影響も計算したものだ」(民主党関係者)という。確かに小沢氏は、地方遊説で「愛知重視」を打ち出している。
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自民党も黙っていない。福田首相は昨年12月26日、トヨタ自動車の奥田相談役を内閣特別顧問に任命した。町村信孝官房長官は、7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に向け、地球温暖化対策の企画立案や経済政策での助言を期待しているとしたが、町村派中堅議員は福田首相の「裏」の狙いを、こう語る。
「トヨタの票と資金をとりこむために奥田氏を引き込む戦略だ。4年間日本経団連会長を務め、財界への影響力は強い。奥田氏も二つ返事で、福田官邸・自民党の事実上の財界担当責任者になったようなものだ」
自民圧勝となった17年の郵政総選挙では当時、日本経団連会長だった奥田氏の旗振りでトヨタが自民党を支援した。トヨタ労組が民主党に組織内候補を送り込んでいるため、トヨタは自民と一定の距離を保っていたが、奥田氏の方針でグループ企業だけでなく他社も追随したことがプラスに作用した。自民党閣僚経験者は「首相、党幹部は現在日本経団連を率いる御手洗冨士夫キヤノン会長を頼りにしていないのだろう。奥田氏と連携して『郵政選挙再現を』というわけだ」と話す。
昨年末に訪中した首相は12月29日、「天津浜海新区」で、トヨタ自動車が現地企業との合弁で操業している天津工場を視察。そこに内閣特別顧問に就任したばかりの奥田氏の姿があった。また首相の地元、群馬県の上毛新聞の元日付には首相と奥田氏が並ぶ新春座談会が掲載された。
トヨタと自民党町村派(清和会)とのパイプは20年以上さかのぼる。同社首脳は故福田赳夫元首相時代から同派幹部とのゴルフ会が定期的に開催されており、「連携の素地はある」(町村派関係者)という。
「労」にアプローチする民主に、「使」に攻勢をかける自民。手法こそ違いはあるが、世界の「TOYOTA」をめぐる争奪戦の号砲は高らかに鳴らされた。
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