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「9・11より9・27を忘れるな」と訴えてきた。1977年9月27日に厚木基地を飛び立った米軍ジェット機が現在の横浜市青葉区内に墜落し、当時31歳だった若い母親と3歳と1歳の息子が亡くなったり、重傷を負ったりした事故を忘却の淵に沈めてはならないと主張してきたのだが、この事故によって娘と孫を失った土志田勇が1月3日に亡くなった。82歳。土志田には『米軍ジェット機事故で失った娘と孫よ』(七つ森書館)という悲痛な本がある。これぞ、まさに憲法の本だと口を酸っぱくして言っているのだが、なかなかに広がらない。
ところで、伊藤千尋の『反米大陸』(集英社新書)を読んで、もうひとつの9・11があるのを知った。伊藤によれば、2001年9月11日同時多発テロでアメリカは世界中から同情されたが、南米の、とりわけチリの人たちは冷ややかだったという。なぜか? その28年前の1973年9月11日にチリのアジェンデ政権をひっくり返すテロをやったのはアメリカだったからである。CIAの演出によってピノチェト将軍率いる軍部がクーデターを起こし、アメリカの同時多発テロの被害者を上まわる3000人以上の市民が殺害された。
「9・11を忘れるな」という訴えはアメリカとチリでは、いわば真逆になるのである。
「天国からはあまりに遠く、アメリカにはあまりに近い」といわれる中南米の国々は、なぜ次々に反米政権を誕生させているのか。伊藤はその原因を、アメリカの圧力によって進められた新自由主義の経済政策に求める。ちなみに、私は新自由主義というのはほめすぎで、ジャングルの自由に戻す旧自由主義だと断罪しているが、いずれにせよ、規制緩和、民営化、そして外資の導入などが主な政策で、その最初の実験場となったのが中南米だったのである。
伊藤も参考文献に挙げている内橋克人、佐野誠編の『ラテン・アメリカは警告する』(新評論)という大部な本がある。そこで内橋は「資本の徹底自由」がもたらす「市民の不自由」について警鐘を鳴らし、市場原理を過信した自由化や規制緩和が結果させた負の累積効果に触れながら、ラテン・アメリカの苦闘から、日本は「何をなすべきでないか」と「何をなすべきか」の双方を学ぶことができる、と説いている。
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