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(回答先: 筒井康隆がいつかマンガの中で「タレント議員に占拠された国会」というのを描いていたことがあった 投稿者 ワヤクチャ 日時 2008 年 2 月 02 日 16:06:54)
第479回二木会
日時 平成12年10月12日
「テレビの政治報道」
山本 周さん
http://www.shuyu.gr.jp/tokyo/nimoku/dai479.html
(6) 多チャンネル時代の報道
今年12月1日から各局が一斉にBSデジタル放送をスタートさせる。さらに郵
政省は、いまの地上波も2006年までに全国的にデジタル化するという方針だ。これ
には民放だけで1兆円くらいのお金がかかると言われていて、これを誰が負担する
のかという問題もあるが、ここではこれは置いておく。
いずれにせよチャンネルの数が膨大に増えるわけだが、問題は何を放送するかだ
。私の理想的な見方だが、近い将来に、まず記者一人ひとりが編集機能つきの小型
カメラを常に持って取材し、電話線あるいはモバイルで直ちに映像を報道局に送り
、放送する。あるいは携帯電話ならぬ携帯中継カメラが出来て、なんでも生中継で
放送される、そんな時代がひょっとしたら来るのかもしれない。
実は小説家の筒井康隆さんがいまから35年前に出した「48億の妄想」という本
がある。そこら中にテレビカメラが据付けられ、政治家も一般人も、交通事故に遭
った被害者も、テレビを意識して受けを狙う世界で、あげくのはてに外務省と手を
組んで韓国に戦争を仕掛けるという危ない話だ。
その中に登場人物の言葉として「政治なんて難しいものは、もっとわかりやすく
して、それからもっと面白くして見せなきゃいかん」と言わせ、またほかの個所で
は、「難解な政権を喋り捲る政治家は“難しいことばかり言って、もっとも面白く
ない人”とされ。無視される」「記者の仕事は前もって、如何にその出来事を劇的
に盛り上げるか、如何にセンセーショナルに演出するかを考えることにあった」
「成功した政治家はマスコミに利用されながら、巧みにマスコミを利用した人間た
ちのことだ」などという下りがある。繰り返すが35年前の小説だ。作家というの
はたいしたもんだと思うと同時に、われわれテレビ局の人間への戒めと受け止めた
いと思う。