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印紙や切手の偽造グループ、韓国で摘発
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/ea/28/
松村テクノロジー社長 松村 喜秀氏
2008年7月18日
今年の5月29日、韓国の釜山で日本の200円の収入印紙100万枚と、50円切手60万枚、計2億3000万円相当を偽造し、日本に密輸していた疑いで韓国人5人が逮捕された。
釜山警察庁は日本人関係者が大阪にいることをつかみ、大阪府警に通報して、容疑者が逮捕された。捕まった日本人のなかには暴力団の構成員がいたようだ。韓国で作った偽造品をさばく役割を担っていたのだろう。
この一件は日本ではあまり報道されなかったが、既に偽造切手120万枚、2億1000万円相当が日本に運ばれたと考えられており、出回っているおそれもある。
今回、逮捕された韓国人の中には印刷業関係者がおり、韓国造幣公社の元職員が関与した疑いもある。韓国内では韓国の切手や印紙の偽造品も出回っているのではないかと大騒ぎになった。
偽造品は本物と見分けがつかないほど精巧に出来ているようで、日本としては早急に対策を打たなければならない。
幼稚な偽造防止のレベル
印紙には、マイクロ文字を印刷する、赤と青の繊維を紙に混ぜ込むなど、偽造防止の対策は一応、施してある。
だが、これらの防止対策は紙幣に比べたら実に幼稚で、もし本当に韓国の造幣公社の元職員が関与していたとしたら、偽造は難しくないだろう。韓国の造幣技術は高いレベルにあり、他国の紙幣や国債なども請け負って印刷しているほどなのだ。
一番、偽造が難しいのが周囲のミシン目だが、捜査当局によると、相当な資金をつぎ込んで、ミシン目を入れる装置を自作したらしい。それだけ大規模、組織的に偽造を行っているのだろう。
切手にいたってはほとんど偽造防止対策らしい対策はない。はっきり言えば、ある程度の専門的な印刷技術があれば偽造できてしまう。これは危険なことだ。
印紙も切手も、企業などに向けてシートで販売されることが多い。1シートは相当な額になる。それにもかかわらずこの程度の安全対策では犯罪グループに目をつけられるのも仕方ない。
今回、韓国の捜査当局は日本の捜査当局に「印紙、切手に施しているセキュリティ対策や偽造と判断する基準」などの情報を求めたが、日本側はわたしの知っている限り、積極的に応じていないようだ。
答えられるようなセキュリティ対策も基準もないのかもしれない。
印紙や切手の偽造は税金泥棒
印紙や切手は偽札と違って、誰も偽か本物かなど気にしない。張り付けられたらなおさらだ。この点が厄介だ。
偽造印紙や切手のシートは金券ショップなどに持ち込まれることが多い。そこで、企業などが購入し、そのまま偽と気づかずに使う。その最終的な被害者は国である。ということは、印紙や切手の偽造犯罪は税金を盗むのと同じことになるわけだ。
直接の被害者がいないからといって、放っておくわけにはいかない。本来は日韓の捜査当局が協力して摘発に当たってほしいが、マスコミもなぜか、この問題をあまり積極的には書かない。
日本は金券大国でビール券や商品券、図書券などたくさん流通しているが、偽造に関しては無頓着だ。かつて、偽造ビール券が相当出回ったことは覚えているだろうか。
偽造防止ではなんといっても紙幣が優れており、印紙も金券もセキュリティレベルはとても低い。印紙は世の中に必要なので、もっとセキュリティを上げるべきだし、そうでない金券などはなるべく発行しない方が安全上は好ましいのだ。 危機・防犯意識の薄い日本人を、海外の犯罪グループはカモにしようと狙っていることを忘れないでもらいたい。