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偽造手形:大都市圏で出回る…億単位、上場関連会社狙い(毎日新聞)
東証や大証の1部上場企業の複数の関連会社の偽造約束手形が東京、大阪、福岡などで出回っていることが分かった。額面総額が億単位に上る会社もあり手口が似ていることから「広域偽造団」が暗躍している可能性が浮上している。捜査当局も有価証券偽造、同行使容疑などを視野に実態解明に乗り出した。
被害が判明しているのは▽栗本鉄工所(大阪市)の子会社「栗本建設工業」(同)▽松下電工(大阪府門真市)の関連会社「九州SUNX」(鹿児島県南さつま市)▽神戸製鋼所(神戸市)の子会社「神鋼環境ソリューション」(同)。
栗本建設工業には2月下旬、福岡市の金融業者から「手形を割り引いたが、実際に振り出したものか」と電話があった。実在の手形と番号や額面は一致したが、受取人名が福岡市の会社に改ざんされていた。また、この会社の社長が栗本建設工業の偽造手形のコピー2通を所有。東京の財団法人を受取人とする額面5000万円の偽造手形6通が出回っていたことも分かった。
4月には九州SUNXが、この財団法人に振り出したなどとする偽造手形3通が大阪や東京で見つかった。同社には3月下旬にも東京の不動産関係者から「男が5000万円の手形コピー6通を持ち込んだ」と連絡があったばかりだった。
この財団法人は両社と取引がなく「名前を使われた」と困惑ぎみ。偽造手形のコピーも確認されていることに関係者は「サンプルとして見せるため、コピーを持ち歩いているのでは」と推測する。
一方、神鋼環境ソリューションの偽造手形は1月末ごろから、東京と福岡の金融業者が計7通持っていることが確認された。
大手銀行関係者は「大企業は電子処理が普及して手形をあまり使わなくなったが、中小企業はまだ手形を使うことが多い。大企業の子会社なら信用が高く疑われにくいためだろう」と指摘している。【田辺一城、山口朋辰】
毎日新聞 2008年4月6日 2時30分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080406k0000m040127000c.html