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突風が原因か 漁船7人不明捜索続く(東京新聞)
2008年4月6日 朝刊
青森県・陸奥湾でホタテ漁船日光丸(五・一トン、川村春光船長ら八人乗り組み)が遭難、一人が死亡し七人が行方不明となった事故で、青森海上保安部は五日、港から沖合約二キロにある操業場所のホタテの養殖場を中心に捜索を続けた。
乗組員は、死亡した畑井志拓さん(34)のほか、川村船長(74)=同漁協組合長、橋本徹さん(62)、川村爾さん(46)、川村実さん(54)、工藤智一さん(34)、工藤貴吉さん(33)の青森市の七人のほか、青森県おいらせ町の松本幹二郎さん(28)。
海保は沈没したとの見方を強め、ダイバーによる捜索もしたが、養殖かごしか見つかっていない。
出漁し沖合で引き返した漁協の理事は「事故は突風が原因。立っていてもよろける、今まで経験したことのない風だった」と現場近くの海上の様子を語り、突風や船後方からの「追い波」が原因の可能性が浮上している。
青森地方気象台によると、同日朝、低気圧が北海道南部を通過。これによる雨雲が陸奥湾に掛かり、突風などに注意を呼び掛けた。「強い雨雲ではなかったが、上空に寒気を伴い、大気の状態が不安定だった」という。現場から十−十五キロ離れた気象台では同日午前五時すぎ、最大瞬間風速一八・二メートルの西北西の風を観測。波の高さは約三メートルとみられ、強風・波浪・雷注意報が出た。積乱雲ができると、その下で竜巻やダウンバースト(下降噴流)などの突風が吹きやすい。気象台は「雷や積乱雲の発生は実際には確認できなかった。局地的に突風が吹いたかどうかは、何とも言えない」としている。
漁師歴50年超 船長はベテラン
「早く助けて」。五日未明に起きたホタテ漁船「日光丸」の遭難事故。行方不明の乗組員の安否を心配して青森市漁協近くの岸壁に集まった家族や漁協関係者は、難航する捜索に焦りを見せた。
強風のため当初、漁船六隻は待機したが、風が収まったため一隻が沖に出て確認し、漁ができると無線で連絡。五隻は出漁したものの風波が高くなり、早めに漁を切り上げた船もあったという。
川村春光船長は漁協トップの漁師歴五十年を超えるベテランで、リーダーとして定評があった。川村船長は最近体をこわし、漁を若い人に任せることも多かったが、関係者は「この日はホタテ漁の解禁日で、自ら出漁したのでは」と話した。
乗組員の松本幹二郎さんの父、阿部重雄さん(59)は「息子は青森県八戸市で沖合底引き網漁船の漁師をし、今回はアルバイトとして漁に出た」と話した。川村実さんと橋本徹さんは大工で、漁も手伝っていたという。
陸奥湾のホタテ生産高は昨年度、約九万トンと全国有数の養殖地。四月から「ベビーホタテ」と呼ばれる若い貝の出荷が本格化し、日光丸もこのホタテを採りに出漁したという。ホタテは通常、稚貝を一、二年間育てて出荷するが、青森県では四月から六月、生後丸一年の段階で一部を出荷。ボイルするなど主に加工用に使われる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008040602001407.html