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【衝撃事件の核心】ブログで「憂国」気取る痴漢でっち上げ大学生
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http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080316/crm0803161038002-n1.htm
産経新聞
【衝撃事件の核心】ブログで「憂国」気取る痴漢でっち上げ大学生
2008.3.16 10:34
「アジアの統合こそが僕の夢」。大阪の会社員を痴漢の犯人にでっち上げた大学生の男は、自身のブログで日米関係やイラク戦争を批判するなどして“憂国の士”を気取っていた。一方、ガールフレンドの女に被害者を演じさせ、示談金をせしめようとした今回の悪質な手口。取り調べに対し、会社員への謝罪の言葉はないという。昨今、相次ぐ大学生による犯罪。「大学全入時代」とはいえ、大学生のレベルの低さは嘆かわしい限りだ。
今回、大阪府警に逮捕された大学生、蒔田文幸容疑者(24)=京都市山科区、虚偽告訴容疑で逮捕=は、神戸市東灘区にある甲南大学法学部の4年生。同大は受験偏差値では、関西で「関関同立」(関西大、関西学院大、同志社大、立命大)に次ぐランク。昔からおしゃれな学生が多いとされ、人気は高い。
蒔田容疑者は自身のブログでプロフィルを紹介。趣味としてスポーツ、カラオケ、バンド、ショッピング、アウトドア、旅行、語学、読書などを挙げている。「自己紹介」と称してメッセージを掲載。その中で日本の現状を憂う大学生として、現在の日本を取り巻く状況について述べている。
はじめに「僕は今自分の夢に向かって全力で前進しています。僕の夢はあまりにもでかいので、みんなに話すと必ずバカにされて笑われてしまう」とした上で、「皆さんは今の日本がどれだけ危機的状況にあるかご存じですか?日本は島国で平和なので気づいている人はごくわずかだと思います」と問題提起する。
日本とアメリカとの関係やイラク戦争を批判。「日本はアメリカから離れて真の自立をすることが最適だと思います」と力説する。さらに「日本がリーダーシップをとってアジアを一つにまとめEUのような強力な組織をつくる事が最善の策」と訴え、「アジアの統合こそが僕の夢なのです」などと記している。
ガールフレンドの女とは1月下旬、大阪・ミナミの繁華街で知り合い、すぐに犯行を持ちかけたという。
2月1日午後8時半ごろ、大阪市営地下鉄御堂筋線の車内でターゲットを見つけた。女の隣で堺市北区の会社員、国分和生さん(58)が風邪気味のけだるい身体で揺れに耐え、両手をポケットに突っ込んでうつむいていた。
天王寺駅手前でブレーキがかかり、女と肩が触れた瞬間、女は「触りましたね」と声を上げ、泣きながらしゃがみ込んだ。そこに乗客をかき分けるようにして蒔田容疑者が「触りましたよね」と、周囲に聞こえるように連呼した。
後ろにいた乗客が「この人何もしてないやん」とつぶやいた。その声に自信を得たかのように、国分さんは誤解を解こうと、自ら天王寺駅で降りた。このとき蒔田容疑者はしまったと思った。
国分さんが自ら駅員に連絡したことで「直接交渉して示談金をとろうと思ったが、あてがはずれた」と、後の警察の取り調べで供述している。
一方、駅員に事情を説明し、「助けてもらえる」との思いで足を運んだ国分さん。駅員に「警察を呼んでもいいですか」と聞かれ、「どうぞ」と答えた。逮捕されるとは夢にも思わなかった。
蒔田容疑者は逮捕された今月11日朝、張り込む捜査員をよそに、酒に酔って京都市内の自宅にタクシーで帰ってきた。法学部で学んだためか、取り調べにも当初、「当番弁護士が来るまで何も言えない」「警察は信用できないから取り調べを録画してくれ」などと知識をひけらかすようだったという。
捜査員は「反省するそぶりもなく、何を考えているのかわからない。本人は何か目標があるようだが、他人を陥れてまで何のために金が必要だったのか」と首をかしげる。
蒔田容疑者にぬれぎぬを着せられた国分さんは簡単な取り調べの後、留置場に入れられた。名前では呼んでもらえず、与えられたのは「14番」という番号だった。暗く狭い空間で、寒さと不安に震えながら2枚の毛布にくるまったという。翌日も朝から取り調べが続いたが、午後3時ごろに弁護士と接見して無実を訴え、午後6時にようやく釈放された。
容疑が晴れたのは女が自首した後の2月中旬。刑事は「私たちもだまされました」と謝罪。署長からも「このような事件がないよう一生懸命捜査します。協力してください」と電話があった。
国分さんは「男性なら誰でも起こり得ること」と振り返り、取り調べに関して「何を言っても信じてもらえなかった。警察は最初にもっと言い分を聞いてほしかった」と話している。
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