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映画「ポチの告白」のすごい中身
2008/12/6 10:00
「警察は市民の安全を守ってくれるけど、どこかうさんくさい」――。こう思っている人に見てほしいのが映画「ポチの告白」(高橋玄監督)だ。菅田俊扮する刑事が上司の信頼を得ていくうちに警察内部の腐敗に直面し、いつしか不正に手を染める転落物語。出てくる警官たちは平気で裏金をつくり、暴力団の麻薬取引の用心棒を務め、ときには闇の組織を使って邪魔者を痛めつける。主人公が中国人の取り調べで「日本には絶対に逆らえないものが2つある。天皇陛下と警察だ」と言ってパイプ椅子で殴るシーンは印象的だ。
警察となれ合いの新聞社の実態も興味深い。刑事は知り合いの記者を「オレの飼っているヤツ」と呼び、記者は同僚記者のパソコン内の情報を盗み刑事に教えて点数を稼ぐ。3時間15分の長尺だが、エピソードがふんだんに盛り込まれているため最後まで退屈しない。共演は野村宏伸、井上晴美、出光元など。
ノンフィクション作家の藤井誠二氏が言う。
「善い人がひとりも出てこない映画です。新聞などで警察の不正が報じられていますが、この映画を見ればその実態がよく理解できます。見どころはやはり正義感の強い主人公が悪徳警官になっていく過程。出光元が演じる警察署長が彼を悪の道に誘い込むのですが、そのやり方はきわめて日本人的です。この署長のように部下や組織をダメにする人が会社や地域にいるものです。彼と部下たちの言動を日本社会の典型ととらえて観賞すると面白いですね」
警察の醜さと人間の弱さを描いた意欲作。来月24日、新宿K’sシネマほかで公開予定。
(日刊ゲンダイ2008年12月3日掲載)
2008/12/6 10:00 更新