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11月20日10時24分配信 医療介護CBニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081120-00000002-cbn-soci
介護保険制度が2000年に発足して以降、二度にわたる介護報酬のマイナス改定で、全国の老人ホーム施設長の95%超が“経営困難”を訴えていることが、「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会(略称「21・老福連」)」が実施した「全国老人ホーム施設長アンケート」で明らかになった。「21・老福連」では、「このままでは何年か先に経営が立ち行かなくなる、という施設が急増している。同制度の発足以降、三度目となる介護報酬改定を来年に控えた今の時期に、日本の高齢者福祉の今後について真剣な国民的議論が必要だ」と、同制度の在り方を根本から問い直すことを求めている。
アンケートは、全国の特別養護老人ホームと養護老人ホームの施設長を対象に行い、1712人から回答があった。
介護報酬が03年改定でマイナス2.3%、06年改定でマイナス2.4%と、連続してマイナス改定となったことについて、「経営が大変厳しいと感じている」が1049人(61.3%)、「厳しいが何とかやっている」が590人(34.5%)と、95%超の施設長が経営状況を厳しいと感じていることが明らかになった。「21・老福連」では、「『何とかやっている』としても、人件費の削減や抑制、正職員の非常勤化でしのいでいるのではないか。先が見えない施設経営に不安を募らせる施設長が多い」と危惧している。
介護報酬の改定については、「職員にまともな給与・賃金を保障できるよう介護報酬を引き上げること」について、1622人(94.7%)が「賛成」しており、「21・老福連」では、「職員に『未来がない』『人生設計に展望を持てない』と語らせる介護報酬を是正しなければならない。“官製ワーキングプア”をつくっているとしか言いようがない現状を早急に打開すべき」と指摘している。
また、利用負担に関しては、「介護給付引き上げを利用者及び保険料負担の増としない対策を講じるべきか」との問いに、1230人(71.8%)が「賛成」と答えた。現行の制度では、介護給付が増えると保険料に跳ね返る“仕組み”になっていることから、「21・老福連」では、「同制度への移行で国と自治体の負担率が半減した。これを元に戻せば、保険料をかなり下げることができる」として、介護給付の引き上げが利用者の負担増にならないようにすることを求めている。
離職者が相次ぎ、人手不足が深刻になっている理由として、「給与・賃金が低い」との回答が1494人(87.3%)に上った。「職員確保の現状と今後の見通し」では、「今は何とか職員を確保できているが、大変不安が大きい」が1171人(68.4%)のほか、「既に職員不足のため、減算や定員の一部閉鎖(ショートを含む)を余儀なくされている」が53人(3.1%)、「このままでは、2-3年の間に減算や定員の一部閉鎖が危惧される」が220人(12.9%)だった。「特に問題はない」は15人(0.9%)にすぎなかった。
これらの結果を踏まえ、「21・老福連」では、「改定の度に大きく変わる制度、重くなるばかりの利用者負担と厳しい経営に、施設長の戸惑いや怒りが広がっており、誰もが安心して老いることができる老人福祉が求められている。老人福祉を再生し、『公的介護保障制度』を確立すべき」などと訴えている。