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古代NYに隕石による津波発生の証拠
2009年1月5日(月)16:55
http://news.goo.ne.jp/article/nationalgeographic/life/21074650-ng.html
最新の研究によると、いまから2300年前、ニューヨーク州ロングアイランド沖に隕石(いんせき)が落下し、その衝撃により巨大津波が発生してニューヨーク市全域に相当する範囲が水浸しになったという。
テネシー州ヴァンダービルト大学の地質学者スティーブン・グッドブレッド氏は、「殺人的な高波が発生したと考えられる。当時、人が住んでいたかどうかはわからないが、今日このような津波が発生すれば甚大な被害をもたらすであろうし、マンハッタン島の南端部“ロウアーマンハッタン”などは水浸しになる可能性が高い」と話す。
津波は多くの場合、地震が引き金となって発生する。例えば、2004年にインド洋を襲った壊滅的な津波は海底地震が原因だった。しかし、隕石の落下も殺人的な高波の起爆剤となることが知られている。
研究チームの一員であるハーバード大学のキャサリン・ケーガン氏は、「ニューヨーク地域には活火山は存在しないし、おそらく過去数百万年の間も同じ状況だったろう。大地震についても同じことが言える」と話す。
近年、ケーガン氏はニューヨーク市とニュージャージー州の境界となっているハドソン川沿いの数カ所で堆積物を採取し、その中に隕石衝突の痕跡を発見した。
堆積物を詳細に調べた結果、変形した岩石や珍しい極小のナノダイヤモンド、そして「スフェルール(spherule)」と呼ばれる真球の極小岩石が含まれていたのだ。スフェルールとは、隕石衝突により溶けて蒸発した岩石が大気中に投げ出され、衝撃波によって生み出された一時的な真空の中で固体化してできるものである。
クレーターのような大きな証拠は発見されていないが、隕石衝突の専門家で研究チームを率いたコロンビア大学のダラス・アボット氏は、落下した隕石は直径約50〜150メートルの規模ではないかと推測している。
これ以上小さいと大きな津波は発生せず、隕石は地球に衝突する前に燃え尽きてしまうという。また、逆に大きい場合には、隕石衝突の衝撃波がもたらす圧倒的な熱エネルギーにより「衝撃ガラス」と呼ばれる独特の物質が生み出されるはずである。しかし、このような物質は現在のところまだ発見されていない。
今回の研究報告は、2008年12月にサンフランシスコで開催されたアメリカ地球物理学連合2008年秋季集会で行われた。
ハドソン川で採取されたサンプルはおよそ紀元前300年のものである。2003年には、別の研究チームがロングアイランドで場違いな同年代の砂利の堆積層を発見している。
この岩石質の堆積層は10センチ程度の厚さで、数百メートル離れた砂利にあふれる海岸地域から運ばれたものと推測される。個々の岩石はかなり大きく、握りこぶしほどの大きさのものもある。「このような大きさの岩石が通常の波や風で運ばれることはない」と前述のグッドブレッド氏は話す。
堆積層の発見当時、グッドブレッド氏は岩石を運んだ現象について、巨大な嵐か津波という2つの可能性があると考えた。
隕石の痕跡が新しく発見されたことにより、津波説が有利になったといえるかもしれない。ただし、グッドブレッド氏によると、研究はまだ始まったばかりで結論を出せる段階ではないという。「津波説と嵐説という2つの仮説はそれぞれに独自性を持っており、現時点ではどちらが正しいと結論付けることはできない」と同氏は話す。
オーストラリアにあるウーロンゴン大学の地質学者テッド・ブライアント氏は、今回の研究を受けて次のように話す。「地球外からの隕石衝突という説がスフェルールやナノダイヤモンドの説明として最も可能性が高いだろう。アボット氏らの研究チームが発見した物質が、ニューヨーク地域の通常の自然現象で再現できるものではない。隕石衝突という仮説は一見乱暴なものに思われるかもしれないが、大陸移動説が提示されたときも当初は同様の評価だった」。
Ker Than in New York City for National Geographic News
Image by Dee Breger
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