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http://weathernews.com/jp/c/press/2008/080818.html
2008.08.18
―The latest news from Global Ice Center―
北極海(北西部)の海氷、観測史上最も早く減少
株式会社ウェザーニューズ(所在地:東京都港区 代表取締役社長:草開千仁)のグローバルアイスセンター(※1)では、温暖化の影響と言われている北極海の海氷の状況を監視していますが、8月17日、北極海北西部の夏季の海氷が観測史上最小であった昨年よりも早く海氷が減少し、北極海北西部の航路に沿って海氷が融解していることを確認しました。これに伴い、カナダ北側の北極海航路における船舶航行の更なる実現性が見え始めてきました。当アイスセンターでは、今後も徐々に氷の融解が進む北極海を中心とした海氷を引き続き監視するとともに、世界の海氷の最新情報を提供していきます。
夏季の海氷の融解量が増加し、航路に沿って海氷のない状況になった北極海
(WNIグローバルアイスセンター解析)High Resolution Image (321KB)
【北極海北西部の海氷の状況】
海氷の減少した北極海 8月17日現在
(WNIグローバルアイスセンター解析)
今回、観測史上最も早く海氷が減少したのは、北極海北西部(カナダ側)で、7月中旬から8月初旬にかけて北極諸島プリンスオブウェールズ島の東側の定着氷(海岸や氷河壁、浮氷壁に定着している海氷)が急速に融解したことが、早期の海氷の融解に繋がりました。海氷面積は2008年7月中旬より最小の状態となり、北西航路(※2)に沿って昨年よりも早く海氷の融解が進み、昨年より3日早く北西航路に沿って海氷のない状況になりました。
【北極海全体の海氷の状況】
北極域カナダ側の海氷面積の推移
(WNIグローバルアイスセンター解析)High Resolution Image (351KB)
北極海全体では、衛星による観測史上最小となった2007年に次いで氷が少ない年となっています。昨年に比べ5月頃までは海氷が多めでしたが、6月頃から融解が急速に進み、現在に至ります。過去に例のない速度で夏季の海氷が融解し、減少を続けた2007年の記録的な海氷の融解で、多年氷(通常何年もかけて形成される厚い氷)が減少し、寿命の短い一年氷(1年以内に形成された薄い氷。氷が薄いため融解しやすい性質を持つ)で北極海の広い範囲が覆われていたことにより、夏の気温上昇に伴い早いスピードで融解が進みました。
当アイスセンターでは、引き続き極域を中心とした世界の海氷の最新情報を随時提供していきます。
※1 グローバルアイスセンター:世界の海氷の状況を常時監視・把握することを目的として7月より運営を開始。
※2 北西航路:デンマーク領グリーンランド西側のデービス海峡、バフィン湾からカナダの北極域であるランカスター海峡、バーロー海峡を経て、プリンスオブウェールズ島の東または西を通り、ビクトリア島の南、アムンセン湾、ビューフォート海、アラスカ沿岸のチュクチ海、ベーリング海への抜ける航路。ニューヨーク・東京間をパナマ経由(10,000nm)のおよそ3分の2(7,000nm)で結ぶ。
<お問合せ先> http://weathernews.com/jp/c/contact/
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