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http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/7284699.html より全文転載。
「らくちんランプ」の管理人スパイラルドラゴンです。今日は、2008年6月16日です。
一連の「地球温暖化するする詐欺」の中で、最も重要な位置を占めている、日本国内に排出量取引を早期に導入すべきだという提言文章をまとめることを主眼として、元トヨタ会長の奥田碩(おくだひろし)を座長に据えて組織された「地球温暖化問題に関する懇談会」の提言がまとまり、福田首相に提出されたようです。
国内排出量取引、産業界は重く受け止めることになる=地球温暖化懇座長 2008年 06月 16日 11:45 JST(続きを読むに保存)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-32275720080616
上記のニュースのポイントは、何と言っても懇談会が作成した提言書の中に、国内排出量取引市場導入時期が記述されなかった事であり、産業界の良識派として懇談会に参加されていた、新日本製鐵株式会社の三村明夫社長と東京電力の勝俣恒久社長から強い反対意見があったからこそ、懇談会メンバーの山本良一のような御用学者http://scienceportal.jp/HotTopics/interview/interview5/や、枝廣淳子のようなエセ環境ジャーナリストhttp://www.ewoman.co.jp/winwin/40ej/index.htmlの意見を押しのけて、提言文章に国内排出量取引市場導入時期が記述されなかったのだと思います。
2008年04月05日に本ブログにアップしたEUでの排出量取引市場の実態を明らかにされた新日本製鐵(株)の三村明夫社長http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/7011835.htmlでは、次のように懇談会での三村社長の発言報道を紹介しました。
(以下引用)
委員の一人の三村明夫・新日鉄会長は「欧州連合(EU)の排出量取引市場の参加者のほとんどは金融やブローカーなど利益目的の参加者で実需は少ない」などと指摘。日本での排出量取引の導入に否定的見解を示した。
(引用終わり)
左の資料は、地球温暖化問題に関する懇談会第2回(H20年4月5日)三村明夫社長提出資料からプリントアウトした物です。
福田総理に示す提言文章の中に、何としても国内排出量取引市場導入時期を示したかった奥田座長も懇談会の事務方の連中も、この三村明夫社長が示したEUでの排出権取引市場の実態に対する指摘には、最後まで有効的な反論が出来なかったのでしょう。
また、東京電力の勝俣恒久(かつまた つねひさ)社長が、4月22日に首相官邸で開催された懇談会において提示した、「地球温暖化問題の解決(=低炭素社会の実現)に向けた見解(PDF 35.5KB)http://www.tepco.co.jp/cc/direct/images/080424a.pdf」の中で、排出権取引市場に反対する意見を明確に示したのも、提言文章の取りまとめに大きく影響したと思います。
(以下、東電が発表した資料から引用)
B 排出量取引市場
● 「バスに乗り遅れるな」との指摘は、環境関連の金融ビジネスに遅れたくないということではないか。あくまでも間接的な政策手法。
● 仮にオークション方式(全量有償)といった形になれば、税率のない環境税を賦課されるようなものと認識。電力の場合、安定供給上、必要量は購入せざるを得ず、電気料金の大幅な上昇を余儀なくされる恐れ。産業の国際競争力に影響するのみでなく、高齢者・低所得者をも直撃する。所得が伸びない中で受け入れられるのか疑問。
(引用終わり)
東京電力の原子力発電所に対して行ってきた地震対策には、2007年(平成19年)7月16日に発生した新潟県中越沖地震によって、柏崎刈羽原発が全て停止するようになってからは、多くの日本国民が疑いの眼を向けるようになっていますが、今回の懇談会において勝俣社長が示した、国内排出権取引市場導入に対する見解は、過去の汚名返上に寄与する大変価値のある内容だと思いますので、東電の広報部は、今後の広報活動に生かすべきだと思います。
(以下転載)
[東京 16日 ロイター] 政府の「地球温暖化問題に関する懇談会」(奥田碩座長)は16日、提言をとりまとめて福田康夫首相に手渡した。国内排出量取引については「欧米の動向を注視しつつ、試行的実施を通じて、わが国の実情を踏まえたものとして検討が続けられなければならない」として、具体的な導入時期の明記を見送った。
ただ、記者会見した奥田座長は、福田首相が9日に発表した「福田ビジョン」で今秋に試行実施を開始すると表明したことについて「産業界は重く受け止めるということになる」と述べた。
提言では、国内排出量取引の実施時期の明記を見送る一方で、懇談会の委員からの賛否両論が添付された。これによると、勝俣恒久委員(東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)社長)は「取引所はあったほうがいいが、強制的なキャップは問題」との意見を示した。三村明夫委員(新日本製鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)会長)は「実需取引が少なく、金融・ブローカーが参加する」と指摘した。
記者会見した奥田座長は、福田首相が「試行的」とした意図について「私が推測すると、方法論はいろいろあるがやむなし、という考え方ではないか」と語った。そのうえで、国内排出量取引について「いろいろ産業界は言っているが、最後のところは首相決断だ。首相が、(試行的実施を)この秋から始めると言ったので、これは首相決断として産業界は重く受け止めるということになる」とした。
ただ、国内排出量取引の具体的な制度設計に関しては「産業界にはキャップ(排出枠)をはめられるのはたまらない、キャップをどうやって決めるのか難しいと(いう意見がある)。できるだけ合理的に、日本にも通じ、世界にも通じる決め方をしていきたい」と述べるにとどめた。
提言では、温室効果ガスの国内排出量について、2050年までに現状から60―80%削減するとした「福田ビジョン」で示した長期目標を目指すとするともに、中期目標については「セクター別積み上げ方式を用いつつ志の高いものとすべき」として、数値の明記を見送った。
奥田座長は、中期目標の数値を明記しなかったことについて「いろいろな数字が錯綜している段階で、混乱を避けるためにあえて数字は出さなかった」とした。ただ、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が勧告した「先進国は2020年までに1990年比25―40%削減」とする中期目標について「腹の中には、その程度のことは考えている。首相の腹の中にも、中期目標としてあるのではないか」とも述べた。(ロイター日本語ニュース 村井 令二記者)
(転載終わり)
スパイラルドラゴン拝
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