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オバマ新大統領の就任式に200万人…空前の人出予想
1月4日13時24分配信 読売新聞
【ワシントン=本間圭一】バラク・オバマ次期米大統領(47)の就任宣誓式まで2週間余となり、首都ワシントン挙げての準備作業が本格化している。
米国初の黒人大統領誕生を見ようと、史上最多の200万人が集まる見込みで、演出も歴史的行事を意識したものになりそうだ。ただ、受け入れ態勢の不備を懸念する声も上がっている。
◆リンカーン
一連の行事を最初に盛り上げるのは、オバマ氏自身だ。今月17日には、独立宣言が起草されたフィラデルフィアから鉄道でワシントン入りする。リンカーン元大統領が1861年の就任式に際し、鉄道でワシントン入りした史実を踏まえたもので、敬愛する英雄と自身をだぶらせる。
注目の20日の演説内容は不明だが、式典のテーマは、リンカーンの有名な「ゲティスバーグ演説」(1863年)の一節から取った「自由の再生」とした。ジョージ・メイソン大学のジェームズ・フィフナー教授は、「人種間の団結という合衆国の理念を訴え、歴史に残る言葉を発するはず」と予測する。式典ではソウル歌手アレサ・フランクリンさんが美声を披露する。
◆終日ラッシュアワー
観衆の規模にも、関心が集まっている。米メディアはワシントン市長の予測や独自調査などとして、200万〜500万人の幅で伝えている。近年の就任式で最多は1965年のジョンソン大統領の約120万人、ブッシュ大統領2期目の2005年は約30万人だった。未曽有の人出に、航空会社は増便を予定し、地下鉄も終日ラッシュアワー並みに運行する。
だが、ワシントンの居住人口は約60万人に過ぎない。主要ホテルは中心部から車で約2時間の郊外まで満室。簡易トイレは設置不足が指摘される。交通機関のまひも想定され、就任式実行委員会などは、徒歩での移動を呼びかけている。
◆国民が主役
同委員会が今回の就任式で目指すのは「歴史上最も開かれた式典」。オバマ氏が宣誓する連邦議会議事堂近くの緑地帯「ナショナル・モール」を一般に開放、大型テレビを設置して市民を迎える。また、過去の就任式のように、企業や労組、ロビイストからの献金は求めず、少額の個人献金で経費をまかなう方針だ。
「式典は国民が主役」という宣伝が効いたためか、交通費や滞在費は自己負担で無給のボランティアに、必要数の4倍近い約6万人もの応募があった。選挙戦の熱狂が、再現されることになりそうだ。
最終更新:1月4日13時24分