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http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812270057.html
介護施設、経営難や人手不足 '08/12/27
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介護施設が経営難や人手不足にあえいでいる。厚生労働省は来年度、介護報酬を初めて3%引き上げる方針を固めたが、深刻な赤字経営や介護福祉士の待遇改善を解消するにはほど遠いアップ幅といえる。「好きな仕事なのに続けられない」。広島市内の介護福祉士やヘルパーから悲鳴が上がっている。
安佐南区の医療機関「協同診療所」が併設するショートステイ施設を訪ねた。今、月額150万円ずつ赤字が膨らむ。運営には国が定めた基準以上の職員数が欠かせず、人件費が経営を圧迫する。坂本裕専務理事は「国の基準が低すぎる。利用者の生活の質を守るには、どうしても現行の人数が必要だ」と矛盾を指摘する。
施設運営費となる国からの介護報酬のサービス単価は、利用者3人を職員1人でケアする基準を基に算出されている。定員19人の場合なら職員は7人。しかし、実際にはパートを常勤職員に換算して11.6人を雇う。
実態とは関係なく、基準通りでしか支払われない介護報酬では人件費は賄いきれない。利用者の食事の外注化や協同診療所の収益による穴埋めなど苦しい経営努力が続く。
2000年に導入された介護保険制度。国は当初の想定を大幅に利用者が上回ったことなどから、社会保障費の抑制を目的に事業者に支払う介護報酬を、03年度は2.3%、06年度は2.4%と連続してマイナス改定をした。
坂本専務理事は「介護職の専門性を認め、社会的な評価を高めるには、介護現場の待遇を厚くする制度の見直しが必要だ」と訴える。介護報酬を引き上げれば、介護保険料も高くなるが、別の福祉関係者は「今はサービスを維持できるかどうかの瀬戸際。利用者にも一定の負担をしてもらわざるを得ない」と話す。
介護安定センター(東京)の調べでは、昨年度の広島県内の介護従事者の平均月給は20万8500円。全産業の全国平均を9万円近く下回る。
【写真説明】協同診療所のショートステイで、入浴を終えた利用者をベッドに移す職員。2人がかりでないとできない仕事だ