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http://www.asahi.com/national/update/1224/OSK200812240128.html
派遣切られ東尋坊へ 履歴書の裏「これ以上は無理。…」(1/2ページ)
2008年12月25日9時49分
東尋坊で保護された後、NPOのスタッフに身の上を打ち明ける男性(左)。2週間ほど前、「派遣切り」にあったという=福井県坂井市
男性を保護したNPO「心に響く文集・編集局」代表の茂幸雄さん。双眼鏡を手に、夕暮れどきを見計らって巡回する=福井県坂井市の東尋坊
日本海に面した東尋坊=福井県坂井市
クリスマスイブの24日。日本海にある断崖(だんがい)の景勝地・東尋坊(福井県坂井市)に、千葉県から鈍行電車を乗り継いできた一人の男性がいた。2週間ほど前、勤務先から突然「派遣切り」を告げられた。胸には両親にあてた遺書があった。地元のNPOに保護された男性は「助けてもらった恩返しをしたい」と明日への希望を語った。
「悩んでいるようだけど、お手伝いできますよ」。午前11時過ぎ、東尋坊そばの観覧タワーで疲れ切ったように座り込んでいた男性に、地元で自殺を思いとどまらせる活動を続けるNPO「心に響く文集・編集局」(茂=しげ=幸雄代表)の女性スタッフが声をかけた。「もう大丈夫。世話してやるから安心しなさい」。茂さんの一言にNPOの相談所で男性は泣き崩れた。
茂さんを通じて男性に身の上を聞かせてもらった。男性は30代で千葉県出身。独身だ。東京都内の大手家電店の物流倉庫で2年間働いていたが、今月7日、突然、人材派遣会社から契約の打ち切りと退寮を告げられた。
在来線を2日余り乗り継いでJR福井駅にたどり着いた。東尋坊までの約30キロほどを夜通し歩いた。足もとが明るくなって死に場所を探していると、朝焼けに映える海の美しさに息をのんだ。声を掛けられたのはためらって体を休めていた時だった。作業着にジャンパー姿。所持金は300円しかなかった。
5年ほど前に弟が事故死した。給料24万円のうち、残された弟の妻と子どもに毎月15万円を仕送りしてきた。今春の小学校入学を機に仕送りはやめたが、生活の蓄えは全くなかった。ネットカフェで暮らすようになった。そのカフェで財布を盗まれ、支払いができずに無銭飲食で警察に突き出された。父親に代金を立て替えてもらった。