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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081209k0000m010090000c.html
内閣支持率急落:自民党内に手詰まり感
毎日新聞など報道各社世論調査での内閣支持率急落は政府・与党に激震をもたらした。「支持率で政治をやっているんじゃない」といらだつ自民党執行部。麻生太郎首相への批判を強める中堅・若手は「ポスト麻生」を見いだせず、ベテラン議員による政界再編の機運もしぼみつつある。次期衆院選に向け、自民党に手詰まり感が漂う一方で、首相は財政政策などで距離を置く中川秀直元幹事長に週内の会談を求めるなど求心力回復策を探っている。
「離島回りは手応えがあった。今日、内閣支持率を見てがっかりしたが……」。8日夕、自民党役員会の前に林幹雄幹事長代理が週末の首相の九州視察を紹介すると、大島理森国対委員長がぶぜんとした表情で「支持率のことは言わんでいい」と口をはさんだ。黙って聞いていた首相は役員会で「支持率の急落はすべて私の責任だ」と言った。
首相批判を強める渡辺喜美元行革担当相ら中堅・若手24人は9日、今後の対応を協議する。ただ、中心メンバーは「予算編成をした首相が国会審議に応じるのが筋で、麻生さんで年度末までいくしかない」と漏らす。一部若手が強硬な政権批判と一線を画した別の議連結成に動くなど、一枚岩ではない。
その一因は、「麻生後」の明確なシナリオが描けない点にある。新たな「選挙の顔」となりうる総裁候補が、党内に見当たらない厳しい現状がある。
毎日新聞の調査で21%まで15ポイント落ちた内閣支持率に加え、「どちらに勝ってほしいか」への回答も民主46%、自民29%と差が広がった。次期衆院選で民主党が単独過半数を得れば、政界再編の機運は立ち消えることになり、中川氏ら再編志向のベテラン議員も戦略の再考を迫られている。
首相が中川氏に週内に首相官邸での会談を打診したのも、こうした党内事情を踏まえてのこととみられる。中川氏は休眠状態の党国家戦略本部の本部長代行を務めており、同本部の再開を巡り意見交換する見通しだ。中川氏との連携模索で、首相が党内の批判勢力とのパイプづくりに動き出したとの見方も出ている。
「支持率が下がったといって、顔を代えるわけにはいかない。目をつぶって、耳をふさいで、突っ込むしかない」。公明党幹部は8日、こう語り、加えた。「自民党にとって麻生さんは(徳川幕府最後の)十五代将軍の徳川慶喜。だから支えていくしかない」【高山祐、近藤大介】