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http://www.asahi.com/politics/update/1208/TKY200812080145.html
猫の目大臣交代、白ける官僚 「もう死に体」政治と距離(1/2ページ)
2008年12月8日15時2分
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農林水産、防衛は6人ずつ――。昨年1月から2年弱の大臣の数だ。国土交通省には「5日大臣」もいた。この間、首相は3人、組閣と内閣改造が計4回。他の省庁も大臣がすべて交代している。大臣を支えるべき官僚たちが、そんな政界の足もとを見透かし始めている。
「内閣が危機的な状況で、今の大臣はもう死に体」
麻生政権への支持率の急落を受けてある省の幹部が言い切った。だが、政治に距離を置く姿勢は今に始まったことではない。
11月初旬。この省で「レクチャー(レク)」と呼ばれる官僚から大臣への所管事項の詳しい説明会があった。麻生政権発足後の9月末にもしたが、この時は、あえて「最低限の説明」に。「衆議院の解散、総選挙がありそうだったから。あっという間に大臣が代わるなら詳しく説明しても仕方ない」と幹部。その後、解散見送りが強まったためやり直したという。この幹部は「こんなに長く在任するなんて大臣が一番驚いているんじゃないか」と突き放す。
2年弱で大臣が6回代わった農林水産省。この間、所管の世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)は山場だった。「外国の閣僚が顔見知りで互いの事情が頭に入っていればいいが、大臣がこうも頻繁に代われば、そのたびにあいさつからだ」と省幹部は深刻だ。
昨年6月、自殺した松岡利勝氏の後を継いだ赤城徳彦氏は1週間後の記者会見で、閉塞(へいそく)した省内のムードの一新を狙った課長らがまとめた資料を配布。「新赤城農政プランだ。世界に発信していきたい」。だが、事務所費と「絆創膏(ばんそうこう)」問題で、就任2カ月で事実上更迭。省幹部は「以後、プランが語られることはなくなった」。
以後、若林正俊氏を挟んで遠藤武彦氏に代わるが、8日後、自身がトップを務める農業共済組合の補助金受給問題で引責辞任。再び若林氏を挟んで太田誠一氏に。が、就任早々、食の安全を巡り、「消費者がやかましいから」と発言し、翌年度予算の骨格が固まる重要な時期に自らの事務所費問題が浮上。その後に発覚した事故米問題で、人体に影響はないとして、「だからじたばた騒いでいない」と発言、また引責辞任した。ようやく石破茂現大臣に慣れ始めたところで、波乱含みの政局を迎えている。
同省幹部が「安定した人に長くやってほしいが、私たちにはどうしようもない」と言えば、石破氏も「(大臣は)セレモニー要員じゃない。頻繁な交代で利益を得る人は誰もいないと思う」と話す。
同じく6人の大臣がいた防衛省では、官僚の暴走さえ起きた。昨夏まで4年余、事務次官として君臨した守屋武昌被告(64)=収賄罪などで公判中=は次官として最後の日となった07年8月31日、上機嫌で迎えの車に乗り込んだという。その日の朝刊が異例の「常勤顧問」として就くことになると伝えていたからだ。小池百合子、高村正彦両大臣の入れ替わり時期に「院政」を狙ったが、その人事を「新聞で知った」という高村氏の激怒で振り出しとなった。
今年9月、中山成彬氏が就任5日で辞任した国土交通省。成田空港の土地収用に時間がかかる理由を「ごね得」などとした発言が引き金だったが、同省幹部は「地権者が立ち退かないのは金銭目的ではなく、国に対する抗議です、とわざわざ説明する必要もない」と考えた「甘さ」を反省している。別の幹部は自嘲(じちょう)気味に話した。
「私たちも、短期的にしか物事を考えられなくなってきている気がする」
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