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http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20081208ddm003010156000c.html
クローズアップ2008:内閣支持激減21%(その1) 政権早くも袋小路
政権発足から2カ月余り、麻生政権は早くも袋小路に入った。内閣支持率の急激な低下により、麻生太郎首相は「選挙の顔」としての役割、立場をなくした。与党支持層の十分な支えも失うなど解散権は封じられ、当面の政権運営も行き詰まりつつある。民主党が倒閣に向けて勢いづく一方、次期衆院選への危機感から、自民党内でも選挙前の首相交代論までくすぶり始め、師走の政局はにわかに流動化してきた。
◇後継不在に閉塞感−−自民中堅・若手「麻生離れ」加速
「ちょっと残念な結果だ。何で(内閣支持率が)下がったのか。(首相の)指導力なのか、あるいは能力評価か党内の問題か、景気なのか。要因を分析する必要がある」
自民党の細田博之幹事長は7日、東京・羽田空港で記者団に対し内閣支持激減の要因を思いつくまま列挙し、党として分析を急ぐ考えを示した。
首相本人の失言、景気後退による将来不安など、支持率の低下要因が重なり、党内には「簡単に支持率を上げる方策がない」(選対幹部)との焦りが募っている。
自民党内では次期衆院選の選挙戦に向け中堅・若手を中心に「麻生離れ」が加速している。08年度第2次補正予算案の今国会提出を求めてきた中堅・若手のメンバーは参加者を40人規模まで広げ、9日に会合を開く方針だ。マスコミ各社の内閣支持率下落を受け、こうした動きが活発化するのは必至で、中心メンバーは「もう首相には辞めてもらった方がいい」とまで言い切った。
ただ、首相に代わる新たな総裁候補は不在だ。安倍晋三元首相、福田康夫前首相と2代続けての「政権投げ出し」もあり、ベテラン議員を中心に「今、首相を代えても有権者からあきれられるだけ」との閉塞(へいそく)感が漂う。党幹部は「もう総裁を代えるだけのパワーが党に残っていない」とぼやくだけだ。
一方、民主党は「国民が麻生政権を完全に見放した」(鳩山由紀夫幹事長)と政権批判を強めている。民主党は2次補正の対案となる経済金融対策関連法案を週明け以降に提出し攻勢を強める一方、自民党内に浮上している「話し合い解散」に同調する構えも見せるなど、硬軟両にらみの政権追い詰め戦略を描いている。
政権を追い込むほど解散が遠のく−−。そんなジレンマを抱えてきた民主党だが、今回の内閣支持激減ぶりによって「与党側がシナリオを描く解散はもうない」(中堅)との余裕が出てきた。
「2次補正成立と引き換えに、来年1月の次期通常国会で首相退陣の可能性すら出てきた」。国対幹部の一人は「話し合い解散」を検討していく考えを強調した。【中村篤志、上野央絵】
◇与党支持層も離反
内閣支持激減の大きな要因として挙げられるのは、与党支持層に「麻生離れ」が広がりを見せた点だ。公明支持層では不支持率が支持率を上回った。年代別では40〜60代の支持低下が一層顕著になったことに加え、全世代で不支持率の方が高い結果に。また、首相の政権運営、打ち出す政策に対する批判の高まりが支持率を下げていることも数字は示した。
自民支持層の内閣支持率は54%。10月の前回調査比20ポイント減で、全体の下落幅(15ポイント減)を上回った。不支持率も全体が17ポイント増だったのに対し、21ポイント増の30%だった。公明支持層の動向はより極端だ。全体が急落した前回調査でも支持率は9月調査比6ポイント増の66%だったが、今回は33%に半減し、不支持率も26ポイント増の34%となった。
「支持政党はない」と回答した無党派層は支持10%、不支持62%で、前回からさらに差が広がった。
年代別の支持率を見ると、40代が14ポイント減の20%、50代が11ポイント減の17%、60代が8ポイント減の26%。前回調査まで支持率が不支持率を上回っていた20代、70代以上と二つの世代では支持、不支持が逆転。20代の支持率は前回比22ポイント減の24%、不支持率は10ポイント増の35%で、70代以上の支持率は18ポイント減の29%、不支持率は14ポイント増の49%だった。
一方、望ましい衆院解散時期について「直ちに」と回答した層は支持率3%、不支持率83%で「来年1月の通常国会冒頭」も支持率15%、不支持率71%。麻生内閣には早期の衆院解散・総選挙が期待されていただけに、選挙を先延ばしする首相の姿勢が支持率低下につながっていると言えそうだ。
08年度第2次補正予算案の提出の先送りに関して「支持しない」と答えた層の支持率は11%、不支持率は74%。定額給付金を「評価しない」と答えた層も支持率14%、不支持率68%で、政策への低い評価がそのまま政権批判につながっていることがうかがえた。【中田卓二】
毎日新聞 2008年12月8日 東京朝刊