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http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081207-OYT1T00277.htm
攻勢・民主に残る不安感、通常国会は冒頭から波乱含みか
4日夕の民主党本部。小沢代表と新年恒例の伊勢神宮参拝の相談をするために訪れた三重県選出の高橋千秋参院議員は、小沢氏にこんな情報を耳打ちした。
「歴代首相は毎年1月4日に伊勢参りをしているんですが、来年は日程がはっきり決まってないようなんです」
小沢氏は笑いながらこうこたえた。
「そのころは、麻生首相じゃないかもな。年内につぶれるんじゃないか」
同じ日、鳩山幹事長は党本部に小沢氏を訪ね、衆院解散の見通しを語り合った。
小沢氏は「解散はいつでもあり得る。麻生首相では通常国会は持たない。乾坤一擲(けんこんいってき)、臨時国会冒頭で解散して勝負すべきだったのに、それを逃したんだ」と語った。
麻生政権の迷走に、民主党は勢いづいている。来年1月召集の通常国会では、徹底的な対決姿勢を取る方針だ。執行部は「通常国会で首相が立ち往生すると見れば、与党で首相退陣や党分裂の動きが出てくる」と踏んでいる。
通常国会最初の攻撃目標は、定額給付金などを盛り込んだ2008年度第2次補正予算案だ。さらに、雇用対策やガソリン税など道路特定財源の暫定税率廃止を掲げ、二の矢、三の矢を放つ戦略を描く。
5日昼、東京・有楽町の街頭に立った鳩山氏は、「この私でさえ定額給付金がもらえる。通常国会が冒頭から波乱含みになるのは当然ではないか」と訴えた。
◆小沢氏の“選挙管理内閣”構想◆
小沢氏は、与野党による選挙管理内閣を作る構想に言及するなど、麻生首相退陣後の構想も具体的に描いている。
首相との初めての党首討論を終えた11月28日夜、小沢氏は上機嫌で東京都内のすし屋に向かった。鳩山幹事長、新党日本の田中康夫代表と向き合った小沢氏は、席に着くなり、「あんな調子じゃ、麻生君は通常国会持たないんじゃないか」と語り、こう続けた。
「選挙管理内閣の形を想定すると、全党が入ることもあり得るなあ。自公で4人目の総理を出すのはおかしいだろう。だからと言って、野党だけでやらせる度量も彼らにはないだろう」
鳩山氏が「それじゃ、大連立じゃないですか」と聞くと、小沢氏は「いや、超大連立だ」と答えた。
小沢氏周辺は発言の真意を、「自民党の反麻生の動きがどこまで本物か見極めるための揺さぶりだ。本気でやろうとは思っていない」と読み解く。
しかし、この「超大連立」発言は、与野党に波紋を広げた。
自民党では「衆院選後の連立、政界再編につなげる狙いではないか」と見る向きがある。麻生首相と自民党総裁選を争った与謝野経済財政相が小沢氏と囲碁仲間であることから、「与謝野氏擁立の仕掛けではないか」という憶測も出ている。
◆「権力の二重構造」に警戒感◆
「野党第1党の党首である小沢代表が当然、首相になるべきだ。それが絶対の条件ではないか」
菅代表代行は4日の記者会見で、小沢氏の選挙管理内閣構想にこんな注文を付けた。
参院で単独過半数を持たない民主党は、次期衆院選で勝利しても、安定政権を作るために他党と連立したり、離党者を吸収したりする必要がある。しかし、保守系から旧社会党までの寄り合い所帯である民主党にとっては、微妙な党内バランスを崩す引き金にもなりかねない――。
菅氏の注文は、他党と協力する場合でも主導権はあくまで民主党にあることをアピールするのが狙いだが、独走せずに表舞台で責任を担うよう、小沢氏にくぎを刺す思惑もあったようだ。
実際、小沢氏は1994年の羽田内閣の発足時に、社会党を除く形で統一会派結成に動き、同党の反発を招いて非自民連立政権を崩壊させるきっかけを作った。
小沢氏には常に、「権力の二重構造を生む」という批判がつきまとう。自民党幹事長時代には「首相以上の力を持つ」と評され、非自民の細川連立政権でも政権中枢には入らずに実権を握った。
民主党でも「陰の権力者として振る舞いたいのでは」という見方が消えない。10月には体調不良を理由にインドのシン首相との会談を突然キャンセルし、小沢氏と距離を置く議員が「衆院選があっても、選挙中に病気で倒れたことにし、首相の座から逃げるつもりだ」と非難したほどだ。
長年の自民党支配を断ち切った実績と、細川、羽田政権を短命に終わらせた失敗。党内では、小沢氏への期待と不安が交錯している。
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この連載は、河島光平、遠藤弦、穴井雄治、尾山宏が担当しました。
〈連載「混沌政局」麻生政権迷走(下)〉
(2008年12月7日13時43分 読売新聞)