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http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2008/12/20081205s01.htm
自民党の劣化/政治の流動化が加速する
1955年の結党以来、合わせて52年間余も政権を担ってきた自民党にいったい何が起きているのか。いまや自立歩行さえおぼつかなく見える。
「国難」のとき、かつての自民党なら求心力が働き、負った傷を自己治癒して権力を維持した。いま、この党に作用しているのは遠心力にほかならない。
「麻生太郎首相では次の衆院選は戦えない」。こんな重苦しい空気が党全体を覆っている。
いまだに景気対策なのか生活支援なのかが不鮮明な定額給付金。「道路族」の顔色を伺いながら首相の言葉が揺れ動いた道路特定財源の一般財源化。
来年度予算編成では歳出削減路線の転換を決めるまで党内が迷走。「解散より政策」と言いつつ第二次補正予算案の提出を年明けの通常国会に先延ばしする首相の「景気対策」は思いのほか風当たりが強い。
「いったい誰が政策を決めるのか」。与党内ではこんな言葉が飛び交う。一連の失言や迷言も加わり、首相の存在感に赤信号がともり出したのは確かだ。
勢い、党内では「麻生離れ」の動きが顕在化し始めている。
渡辺喜美元行革担当相や塩崎恭久元官房長官らのグループは第二次補正予算提案の先送りを公然と批判。もともと首相と政策スタンスが異なる中川秀直元幹事長はきょう、社会保障に関する議員連盟を旗揚げする。
首相は「選挙の顔」として登場したはずだった。だがいまや週刊誌の見出しを借りれば「麻生太郎ひとりぼっち」だ。政権発足からわずか2カ月余りの変容はこの政権党の“立ち枯れ”を意味するのかもしれない。
民主党の政権取り戦略がこうした自民党内の「反麻生」の流れをどう取り込むかにかかってきたことは言うまでもない。
東京・永田町で憶測を呼んでいる小沢一郎代表のシナリオはこうだ。まず今の延長臨時国会で自民党から反麻生議員を20人近く取り込み、与党による衆院再可決の要件を除去する。
与党の国会運営は行き詰まり通常国会で予算成立が確約できない状況に政権を追い詰める。
麻生首相があくまで解散を予算成立後の4月以降に先延ばしする気なら、直ちに首相退陣を迫り、総選挙目的の選挙管理内閣を「各党合意」でつくる。
このシナリオの背後には、昨年11月の福田康夫前首相と小沢氏による自民・民主両党中心の「大連立構想」の影が見え隠れするからか、麻生首相は選挙管理内閣を求める小沢氏の発言に対し「『またか』という感じだ」と不快感を示している。
しかし、大連立の枠をも超える各党参加の「超大連立」選挙管理内閣論が現実味を帯びて語られ出したのは、「ねじれ国会」を解消し国難に対処する「救国的政権」を模索するべきだという空気が与党内にも広がってきたからだろう。
与党内では渡辺、塩崎両氏らの動きにはまだ冷ややかだ。一方で、首相が解散好機ともくろむ4月以降まで政権の体力は持つとの見方も薄れつつある。
どうやら政治は再編のときを迎えつつあるようである。
2008年12月05日金曜日