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穴熊囲い
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居飛車穴熊の駒組み例
振り飛車穴熊の駒組み例
穴熊囲い(あなぐまがこい)は、将棋において使われる囲い(守備の陣形)の一つ居飛車・振り飛車のいずれの戦法でも用いられる囲いであり、囲うまでに手数はかかるが最も堅い囲いの一つである。
先手で居飛車の場合、9八に香車を上げ、9九に玉将を移動させた形が、熊が穴蔵に潜るように見えることからこの名が付いたといわれる。「岩屋」、「獅子のホラ入り」という別名もあるが、一般には使われない。振り飛車の場合は反対側の1九に玉を移動させる。
目次 [非表示]
1 強み
2 欠点
3 攻略法
4 バリエーション
5 「居飛車穴熊戦法」訴訟
6 参考文献
7 関連項目
[編集] 強み
第一に堅いことが言える。囲いで「堅い」とは、玉が戦場から離れている、そして駒(主に金将と銀将)がどのくらい守っているかであるが、その点で穴熊は一番端にあるのでもちろん戦場からは一番遠い。そして、駒が密集しているため、そのままの形では王手や詰めろが掛からず、どの駒を使っても、1手で王手や詰めろを掛けることはできない。つまり、王手や詰めろを掛けるためには、駒を使って形を崩さなければならないため、駒を入れる必要があり、対処しやすいのである。しかし、1度王手や詰めろが掛かるとたちまち崩壊することもあるので注意が必要である。
第二に、堅いことを活かして、大胆な作戦が行えることも大きい。堅さに明らかに差があるときには、飛車や角行(大駒)を1枚捨てても強襲が成功しやすい。なぜなら、もし1手、手を休めたとしても、王手や詰めろを掛けられる心配がないからである。
[編集] 欠点
一つ目は、囲いが完成するまでに手数がかかることである。二つ目は、横からの攻めには強いが上部や端からの攻めには割に弱いことである。三つ目は、1ヶ所に駒が密集し偏っているだけに自陣全体の駒のバランスが悪く、相手に駒を成られやすいことである。四つ目は、玉が隅にあるので身動きが取れず、ピンチの時に逃げ道がないことである。そして、最大の欠点ともいえるのが居飛車の場合、相手の角道が直射するということである。これらを利用し、一時は王手や詰めろが掛からない難攻不落の囲いとも思われた穴熊囲いの対策・攻略方法を次項に記す。
[編集] 攻略法
前項に記した欠点を利用し、攻略した戦法としては居飛車穴熊に対する四間飛車の「藤井システム」が有名である。
藤井システムは、まず、自分の囲いに手数をかけず、ほとんど居玉のまま、角道と端攻めなどを併用し、これを攻略する。これは、今では居飛車穴熊対策の常套手段となっている(詳細は藤井システムを参照)。
藤井システム以外での主な対策・攻略方法としては、
角道と桂馬を使い、(先手が居飛車穴熊の場合)8七の歩兵を吊り上げ、そこに桂馬を打ち込めば玉の「姿焼き」となる。
端攻め
中田功XP(角道なども併用)
一間飛車
地下鉄飛車
横からのと金攻め
とにかく玉の脇にいる桂馬を跳ねさせる。
などが挙げられる。
この他にも攻略法が多数出現し、それまでの高勝率とまでは行かなくなった。
[編集] バリエーション
穴熊囲いには様々なバリエーションがある。
金銀2枚を用いたものは、堅さでは劣るが自陣の駒のバランスを保つことができ、攻撃にも駒を生かすことができる。
金銀3枚を用いたものは、上図のものが一般的である。しかし振り飛車穴熊の場合には、2枚の金を3九と4八に置いたり、3九と4九に置いたりすることもある。
金銀4枚を用いた囲いは極めて堅固である。かつては4枚銀冠から発展する場合などが多かったが、はじめから4枚穴熊を目指すこともある。アマチュアの強豪である田尻隆司が考案した田尻穴熊や、ビッグ4と呼ばれるものはとくに堅固な囲いとして知られる。
田尻穴熊
ビッグ4
[編集] 「居飛車穴熊戦法」訴訟
将棋の戦法「居飛車穴熊」の元祖が誰かをめぐり、アマチュア棋士の大木和博が「考案したのは自分」として、プロ棋士の田中寅彦を相手に300万円の慰謝料の支払いと、元祖を名乗らないよう求めた訴訟。
1999年6月、一審の東京地裁は「二人とも元祖や創始者と呼ばれるにふさわしい」と指摘し、慰謝料支払いの請求を棄却。 2000年3月、二審の東京高裁も一審判決を支持した。 2001年2月22日最高裁第1小法廷は、同件を上告審として受理しないことを決定した(上告棄却)。この棄却決定により、二審の東京高裁判決が確定することとなった。
つまり司法としては元祖論争に関しては「戦法には2つの型があり、双方ともそれぞれの元祖」と認定したことになる。
なお、居飛車が穴熊に囲う戦形は、田中寅彦以前から升田幸三が名人戦において用いていた。小倉六段著下町流三間飛車戦法の一節によれば、当人のコメントとして「訴えられたから戦った」そうである。
[編集] 参考文献
塚田泰明監修、横田稔著『序盤戦! 囲いと攻めの形』、高橋書店、1997年 ISBN 4-4711-3299-7
[編集] 関連項目
将棋の戦法一覧
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カテゴリ: 将棋の戦法