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【日経、韓国アナログ放送停止を2年延期】(大新聞・民放ギルドの為の地デジはやめて、開かれたマスコミを再構築すべきです)
http://www.asyura2.com/08/lunchbreak14/msg/1015.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 1 月 09 日 18:25:06: 4sIKljvd9SgGs
 

http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT13000014022007
韓国アナログ放送停止を2年延期・IT強国政策も曲がり角?【コラム】


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LG電子は2月、2つのチューナーを内蔵して1台で2つのデジタル放送が見られるテレビを発売した

 韓国の地上デジタル放送への完全移行が2年延期されることになった。韓国情報通信部は地上デジタル放送計画を全面的に見直した「デジタル放送活性化のための特別法」を国会に上程する。2月もしくは4月の国会で法律制定が決まる見通しだ。(趙 章恩の「IT先進国・韓国の素顔」)

■アナログ停波はなぜ先送りされたのか

 「デジタル放送活性化特別法」の主な内容は(1)アナログ放送の停止時期を2012年12月31日とする(2)30インチ以上のテレビは2008年1月1日から、20〜30インチのテレビは2009年からデジタルチューナー内蔵を義務化する(3)生活保護対象になっている300万世帯にアナログコンバーター購入費用を支援する(4)販売するテレビに日本と同じくアナログ放送停止を知らせるマークを付着する(5)活性化を担当する実務委員会を設置する――などだ。

 当初は2010年としていたアナログ放送停波の2年延期を決めざるを得なかった理由は、デジタルテレビの普及率の低さにある。2004年8月から放送地域が首都圏以外にも広がり、2005年には人口の92%をカバーするようになったにもかかわらず、デジタルチューナーの普及率は政府が予想した数値の半分にもならないほどで、2005年末で18%。2006年末も24%弱と想定される。このままのペースでは2010年になっても52%程度にすぎないと試算され、アナログ放送停波の条件である95%とは程遠い数字になってしまう。

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サムスン電子は昨年、中国方式のデジタルテレビも開発した


 韓国の場合は、単に買い替えが進まず普及が遅れたというわけではなく、根本的な理由は別にある。デジタル放送の方式をヨーロッパ方式(DVB-T)にするのかアメリカ方式(ATSC=Advanced Television Standard Committee)にするのかで5年近くももめたせいだった。

 しかも、方式が正式に決まらないまま2001年10月には首都圏でアメリカ方式での地上デジタル放送が開始され、最終的にアメリカ方式で決着がついたのは、それから3年も経った2004年7月だった。なぜこのようなゴタゴタが起きたのかは、韓国の放送事情を見るうえでも興味深いので、ざっと振り返ってみよう。

 デジタルテレビの転送方式を巡る議論は、2000年8月に韓国放送技術人連合会と全国言論労働組合がヨーロッパ方式を検討するよう要請したのがきっかけだった。すでに情報通信部は1997年、地上デジタル放送はアメリカ方式と決めていた。しかし、放送局側はアメリカ、カナダを除いたほとんどの国がヨーロッパ方式を採択しているとし、民放大手のMBCは自社の試験結果でヨーロッパ方式が固定及び移動受信でも効率的と主張した。


 一方、情報通信部は韓国の電波環境ではアメリカ方式が効率的にHDTV(ハイビジョンテレビ)を受信できるだけでなく、LG電子が基幹技術を保有しているため韓国企業の輸出競争力強化にもつながるとみていた。また1997年に決定し進めてきた事項を3年経った時点でひっくりかえすのは費用の負担も大きすぎるという問題もあった。

 情報通信部がアメリカ方式を推したもう一つ特別な理由もある。現在、韓国の南地方は、日本のアナログ周波数先占による周波数の越境によりアナログ放送を受信できず、CATVを申し込むしかない。この問題を解決するため、韓国はデジタル放送用の周波数を10年以上も前から先占していた。2004年になってヨーロッパ方式に変えてしまっては周波数先占の意味がなくなる。こうした議論を続けるなか、MBCが行った試験結果に間違いがあったことが判明するハプニングもあり、最終的にアメリカ方式で決着がついた。

■現実路線へ向かうIT政策

 デジタルテレビは韓国政府のIT政策である「IT839」の8大サービスの一つとして国策で支援している分野である。だが、IT839そのものの成果があまりぱっとしないようだ。

 2006年10月に行われた国政監査ではIT839が集中攻撃され、加入者や経済効果などほとんどが当初予定の50%にも満たない成績であると指摘された。デジタル放送は2010年どころか2015年にやっとできるかどうかというほど問題があると厳しく追及されたこともあった。

 情報通信部は「2007年はIT839計画の最終年度であるため成果をきっちり確認する」と発表し、無理な計画より現状を踏まえ国民が望んでいる方向へ政策を進める姿勢を示した。アナログ放送停波の2年延期もその一環であり、これをはっきりさせるため特別法としてまとめることになったのだ。

 情報通信部の関係者は「国際電気通信連合(ITU−R)で2015年までにはデジタル放送に転換しようと協約を結んでいる。日本が2011年、アメリカが2009年、中国が2015年なのにIT強国と自負する韓国だけが遅れてはならないと、2010年を無理に押し通そうとする雰囲気もあった。しかし、国民の生活に及ぼす影響がとても大きいので、これだけは強引に進めると逆効果だろうと、2015年よりは早期に2012年ということになった」と述べた。

 この決定を受け、メーカー側はアナログ放送停波の延期でデジタルテレビの販売に影響が出るのではないかと心配している。特別法に対しても、デジタル放送を活性化させるためではなく、放送局の負担を軽くさせるための法律にすぎないと反発している。

 普及遅れの問題も、アメリカのようにデジタル放送を開始して安いセットトップボックスを供給すれば解決できるというのがメーカー側の主張だ。ちなみに、アメリカ政府はアナログ放送停波を控え、7000円以下で購入できるセットトップボックスを供給することにしたという。また既に30インチ以上のテレビにはデジタルチューナーが搭載されているため、わざわざ特別法などをつくるまでもないようだ。

 韓国の放送局はアナログとデジタルの同時放送維持費用、HD番組制作、デジタル施設などのためにKBS、MBC、SBS、EBSの民放4社だけで1兆7800億ウォン(約2310億円)の予算が必要であるとしている。そのため、公営放送のKBSは受信料引き上げや各種基金を利用した支援を、民放は受信環境改善やアンテナ改善費用として政府からの支援金または中間広告(日本では番組の途中で約15分ごとにCMが流れるが、韓国では番組の前後にしか流してはならない)の規制緩和を要求していたが、2年延期で投資の負担も少しは軽くなったようだ。だが中間広告問題はこれからも議論が続けられる様子だ。

■CATV、通信からも参入続く

 地上デジタル放送への全面移行が先送りとなるなか、放送局以外の攻勢も強まってきた。CATVでは、CJメディア、オンメディア、KBSN、MBCプラスなどの大手が参加し、2007年2月に12チャンネルでHDデジタル放送を始めた。まだ1日数時間のテスト放送ではあるが、2009年には本格化される見通しだ。

 通信業界では特にKTが「これからは通信会社が放送の主役になる」とし、情報通信部にデジタル放送より先にIPTVに集中してほしいと要求している。KTとHanaroはテレビとネットをつなげてリモコン操作で映画・ドラマの再放送などを楽しめる「TVポータル」サービスをすでに開始したが、放送法によりIP経由で地上波放送をまとめて同時再送信することができない。

 それでも、Hanaroのプレスリリースによれば、同社のTVポータル「HanaTV」は世界公営放送運営委員会(PBI)代表団や日本のTBS、スイスのSRG・SSR、ノルウェーのNRKなどが訪問し、高い関心を示したという。HanaTVはディズニー、ソニーピクチャーズ、KBSなど国内外160社のコンテンツ会社と契約し、6万6000編ほどのコンテンツをビデオ・オン・デマンド(VOD)で提供している。利用料はHanaroのブロードバンド料金月2万8000ウォン(約3600円)前後にプラス1万ウォン(約1300円)で、2月12日現在の加入者は31万人に及ぶ。

 特別法には含まれなかったが、放送局はIPTVに対抗してHDチャンネルとSDチャンネル、オーディオ、データなど複数のチャンネルを放送できるMMS(Multi Mode Service)導入を許可するよう要求している。これに対し、CATVはMMSを許可すると地上波に広告が集中すると猛反発した。2004年の放送広告の78%が地上波4社に集中、80社を超えるCATVと衛星放送には22%しか回って来なかった。CATV業界は地上波のデジタル化でチャンネルが増えれば地上波に89%の広告が集中するという調査報告書まで出して反対している。

 日本も2011年7月でアナログ放送は停止される。韓国では「日本は放送局が30〜40年かけて着実に準備をしてきたためHD放送の負担もなく、韓国より先に本格的なデジタル放送時代を迎えるだろう」と羨ましがっている。

 全世界がデジタル放送へと進んでいるなか、韓国だけが業界の利益ばかりで国民の意見なんて誰も気にしていないのではないかと、残念でしょうがない。ユーザーとしてはヨーロッパのようにテレビ1台で地上デジタル放送もIPTVも同時に楽しめるのが何よりだけれど、果たしてみんなが満足するデジタル放送が開始される日は来るだろうか心配だ。

[2007年2月15日]

 

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