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http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20081114009.html
ご意見無用…麻生首相“何となく”イヤな感じ
麻生太郎首相が就任してから1月半が過ぎた。この間、首相番記者が連日行った「ぶら下がりインタビュー」への答え方は、べらんめえ調で率直に語る親しみやすさがある半面、厳しい質問に逆ギレしたり“上から目線”で嫌みを返すなどすっかり麻生節の独演会に。やりすぎは国民に悪印象を与えかねないと周辺はハラハラしている。
「営業妨害して平気ですか。いま聞いてんだよ。答えろ」。10月下旬、高級ホテルのバー通いが頻繁なことを「庶民感覚と懸け離れているのでは」と聞いた記者に、首相は取材記者が大勢集まることを指摘しつつ感情むき出しに逆質問で応戦。
9月末には、民主党に逆質問した異例の所信表明演説について聞かれ、「3回目くらいの小泉純一郎首相の所信表明も同じようなもんじゃなかった? ここにいる人はその種のことを全然勉強したことがない」と記者にお説教。「経済、経営が分からない人の書いた記事は駄目」とばっさり切り捨てることもあった。
株安についての質問には「マイナスの話ばっかりしたがるのはおたくの習性かもしれませんけど」。衆院解散時期を聞いた記者にも「すべて解散前提で聞けと上司から言われているんだろう」と嫌みたっぷりに絡んだ。
周辺は「感じが良くない」とイメージダウンを心配。自民党ベテラン議員も「記者とけんかしても仕方がないと忠告しているんだが」とこぼす。
一方、首相の「何となく」という口癖も耳につく。ノーベル物理学賞受賞が決まった益川敏英・京大名誉教授との10月7日の電話でも「何となく、何となく、勉強とか、何となく、物理とか、何となく夢を持ったり…」と、むやみに連発した。
同月26日の漫画家弘兼憲史氏らとの対談でも繰り返し使い、弘兼氏から「いま“何となく”が相当出てますね」と突っ込まれたほどだ。
政府関係者は意図をあいまいにする「何となく」が、「本音トーク」を持ち味とする麻生氏らしくないとして「あまり使わないように」と助言したというが、一向にやまない。また最近では踏襲を「ふしゅう」とするなど度重なる誤読を指摘され「単なる読み違い」とごまかす場面もあった。
「歴代首相の言語力を診断する」などの著書がある東照二立命館大大学院教授(社会言語学)は「相手より自分が上という力関係に基づいたスタイルで、仲間意識をつくり出し共感を呼ぶという側面が弱い。“何となく”を多用するのは言葉が貧困で豊かな表現ができないからだ」と手厳しく指摘している。