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http://www.kahoku.co.jp/news/2008/10/20081026t71022.htm
漂流「医師会票」 自・民の争奪戦激化
衆院の解散・総選挙に向けて「医師会票」をめぐる自民、民主両党の攻防が激化している。日本医師会(日医)の政治団体「日本医師連盟」は既に、与党候補者の推薦を機関決定。ところが、小泉内閣以来の医療制度改革に反発し、反旗を翻す若手医師や地方団体が現れた。郵政票と同様、小泉改革で影響力をそぎ落とされたもう1つの巨大集票マシンの漂流が浮き彫りになりつつある。
<往年の威光衰え>
9月30日、日本医師連盟(事務局・東京)あてに、2枚のファクスが届いた。差出人は「民主党NC(次の内閣)厚生労働大臣 山田正彦」
「政権交代で国民本位の医療制度を実現する」と前書きされた文書には「後期高齢者医療制度は廃止」「療養病床削減計画は廃止」と民主党の医療政策8項目が並んでいた。
公然と日医会員16万5000人に触手を伸ばしてきた民主党。「電話もなく一方的に送ってきた。無礼だ」。医師連盟の伊東潤造選対委員長(宮城県医師会長)は、組織防衛のために民主党への反論書を各都道府県医師会に送付し、引き締めを図った。
「老人拠出金の増大が保険者財政を圧迫している。後期高齢者医療制度廃止だけでは解決しない」「麻生太郎首相は社会保障費削減の見直しを予算編成でやると言っている」。長年にわたって自民党の有力支持団体であり続けた日医の基本スタンスは、次期衆院選でも変わらない。
だが、昨年の参院選比例代表では、自民党から出た組織内候補が落選するという辛酸をなめた。診療報酬の改定や医師の優遇税制で与党への「圧力団体」として権勢を振るってきた往年の威光は確実に衰えつつある。
伊東氏も「医師は1人100票と言われた時代があったが、今は家族を含めて2、3票。選挙に関心のない医師も多く、みくびられている」と、時代の変化に歯ぎしりする。
加えて、医療制度改革が医師の与党離れを加速させた。小泉内閣で始まった構造改革では、社会保障費の国庫負担が毎年、2200億円ずつ削減された。産科や小児科の医師不足、財政難による自治体病院の閉鎖・縮小など医療現場の崩壊が止まらない。
仙台市青葉区のある開業医は「自民党一辺倒で支えてきた結果、医師にも国民にも厳しい医療環境になった」と日医の政治姿勢を厳しく批判する。
<民主議員講師に>
ここに来て自民党との蜜月関係を見直す地方組織も現れた。
9月中旬、茨城県医師連盟は県内7選挙区で民主党候補の推薦を決めた。関東甲信越の医師会連合会は11月中旬、民主党医療介護改革作業チーム事務局長の桜井充参院議員(宮城選挙区)を講師に勉強会を開く。同会が民主党議員を招くのは初めてという。
「官僚機構と結びついた自民党が何をやっても医療がよくならないのは、現場の医師が一番よく分かっている」。この機会をとらえて内科医でもある桜井氏は、支持拡大に自信をみせる。
東北では、今のところ表立って民主党に接近する動きは見られない。岩手、宮城の医師連盟は既に自民党候補の推薦を決定、ほかの4県でも解散前後には推薦を決める見通しだ。
だが仙台市医師会の幹部は「絶対に自民党、と考えるのは、医師会の長老クラスだけだ。若い世代ほど自民党への信頼度は薄れている。上意下達の時代は終わった」と、集票組織の緩やかな溶解を予言した。
2008年10月26日日曜日