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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20081027-02-1301.html
続・「私が決めます」
2008年10月27日 The Commons
株価がバブル経済崩壊後の最安値を更新した10月27日、麻生総理は解散先送りを決断したとの報道が流れた。言われていた10月末解散、11月30日総選挙はなくなったという事である。再び解散総選挙の時期が不透明になったかのように見えるが、これで選択肢は12月解散、1月総選挙に限りなく近づく事になった。選挙の争点は経済危機を救えるのは与党か野党かの一点になる。
11月総選挙を逃すと12月には来年度予算編成を行なわなければならないから、選挙は予算が成立した後の来年春か、或いは任期満了かと言われていた。しかしそこまで選挙を先延ばしする事は極めて難しい。与党内最強派閥と言っても良い公明党が許容できるのは来年の1月まで。議員も既に走り始めている。これらの怒りを買わない限界は年末年始がぎりぎりである。それならば来年度予算編成を済ませてから解散するというのが最も有力な選択肢になる。かねてから公明党の太田代表は「解散総選挙は年末年始が第一選択肢」と言ってきた。それを飲む形の解散になる。
正月に選挙をやるというのは珍しい。珍しいが戦後では2回ある。1949年と67年である。そのうち1949年は少数与党の第二次吉田内閣が政権基盤を強めるために行い大勝した。弱小派閥の麻生総理が自らと重ね合わせて「験をかつごう」と思えば、まさにぴったりの時期である。吉田総理は12月23日に解散して1月23日に選挙を行ったから、麻生総理は12月25日に解散して来年1月25日の選挙にすれば良い。
予算編成を行なってからの選挙となれば、予算案に対する信を問う事になり、大義名分も立つ。その予算案に経済危機に対する本格対策を盛り込み、野党の民主党がそれを上回る対策を作成できるかどうか、それを国民に問う事が出来る。与党は財務省を味方につけているから、いわば政府与党の土俵に民主党を引きずり込む事が出来る。
現在の支持率の低迷状態を引きずらないためにも、新年を迎えて国民の気分を一新させる必要がある。おめでたい気分になれば国民の不満も多少は減る。さらにアメリカ大統領選挙で政権交代が起きたとしても、1月選挙なら麻生総理がオバマ氏との間に交流する機会を作る時間があり、「政権交代」のマイナス効果を減殺する事が出来る。
12月解散は、冒頭解散を見送った後に考えられる解散の時期としては、早期解散の枠内に入り、「逃げた」とは見られないぎりぎりのタイミングある。これを逃せば麻生政権はただ漂流するばかりになり、与党内から引きずりおろされる可能性が高まる。
麻生総理は近く解散についての考えを表明すると言われるが、「政局よりも政策」だとか「私が決めます」などと意味のない発言を繰り返すのはやめて、はっきり「予算案に本格的な経済対策を示して12月に解散する」と明言すべきである。そうしないと国民の不安心理を払拭する事はできない。そしてそれこそが支持率低下に歯止めを掛ける唯一の方法である。「アキバ」や「マンガ」で支持率回復を狙うのはただの「勘違い」で、支持者をますます減らすだけだ。
(田中良紹)