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天木さんは森田実さん同様、生真面目で憎めない人だが、時々、頓珍漢で国民の為にならない結論を出すように思われます。
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投稿者 小沢内閣待望論 日時 2008 年 10 月 23 日 18:52:14: 4sIKljvd9SgGs
 

http://www.amakiblog.com/archives/2008/10/23/#001197

2008年10月23日
まちがいなく総選挙どころではなくなった


 株価暴落がいよいよ深刻になってきた。もはや総選挙どころではなくなりつつある。

 株の問題を語るには、自らの株とのかかわりを述べなければフェアではないので、恥を忍んではじめに告白しておく。

 私は退職金の殆どをここ数年の株価下落で失った。

 金利ゼロの下で、定職のない自分が資産を増やす手っ取り早い方法は株ぐらいしかない、そう安易に考え、資金をつぎ込み、損を重ねた。

 だから今回の株暴落に際してはもはや失うものはほとんどない。おかげで心配することもない。

 そういう自らの事情を白状した上で、株暴落と日本のこれからについて一言書いてみる。

 先日講演で地方に出かけた時、乗り合わせたタクシーの運転手が向こうから語りかけてきた。

 「お客さん、お仕事ですか」

 「まあ、そんなところです」

 「商売がうまく行くといいですね」

 そういう会話ではじまったやり取りの中で、そのタクシー運転手は話してくれた。

 なんでも彼は山一證券の社員であったが、倒産してふるさとへもどりタクシーの運転手をはじめたという。

 その元証券マンが、こちらが聞きもしないのに、「もう時効だからいいでしょう」と前置きをして次のように語った。

 「証券マンの頃にはインサイダーで随分儲けさせてもらいましたので、失職しても文句は言えませんわ・・・」

 これが現実なのだ。

 また、別の元証券マンはかつて私にこう語ったことがある。

 なけなしの老後資金を騙し取るような仕事をさせられ、入社した時はこれでいいのかと良心の痛みを感じたけれど、すぐに麻痺するようになった、と。その一方で、大口投資家には一般投資家から巻き上げたカネで損失補てんをしてきた、と。

 このようないかさまの本尊が米国証券業界であり、そのアダ花がサブプライムローンだったのだ。

 10月30日の週刊文春の立花隆「私の読書日記」の中で、「サブプライムを売った男の告白」(ダイヤモンド社)について彼が次のように書評している。

 ・・・「こんなローンを扱うのは道徳感の低い人間か、頭がどうかしている人間だろうと」思ったというくらいそれはひどい金融商品だった。そこには業界全体が詐欺師集団のような騙し合いの世界だった・・・

 その詐欺師集団に世界中の金融機関が集った。その金融機関に世界中の一般投資家が騙された。

 そして今詐欺師たちが自らのゲームに敗れて慌てふためいている。

 彼らはこれからあらゆる方便を弄してこれ株価の下落を防ごうとする。

 それを期待する証券会社が、株価は異常な安値だといい、今が底値だといい、不安に駆られた一般投資家が、心配を払拭したい一念でそう期待する。

 しかし株価暴落にともなう企業収益の悪化が発表されるのはこれからだ。

 それにともなって実体経済が打撃を受けるのはこれからだ。

 その事は隠しようがない。

 それでも株価が下がらなければ、その株価はいかさまで支えられた株価だということだ。

 そのうち必ず下がる。

 10月22日の毎日新聞で鹿島茂という仏文学者が、1929年にはじまった大恐慌を振り返るガルブレイスの次の言葉を引用して、「私は間違いなく今回の金融危機は大恐慌の再来だと答える」と書いている。

 ・・・1929年の大暴落の際立った特徴は、最悪の事態がじつは最悪ではなく、さらに悪化し続けたことである。今日こそこれで終わりだと思われたことが、次の日には、あれは始まりに過ぎなかったとわかるのだった・・・」

  10月23日の東京新聞「社会時評」で作家高村薫も書いている。株価も景気もいつかは回復するはずだという薄い期待をもちつつ息をひそめてみても、そもそもマネー経済というアメリカの基軸が消失した世界では、これまでのような株価の回復はあるはずはない、と。

  今日23日の日本の株式市況は近年の最低株価をさらに下回った。

  株を抱えた一般国民にとってはもはや総選挙どころの話ではない。

 

 

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