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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20081023-01-0301.html
<発信箱>野党になる勇気=与良正男(論説室)
2008年10月23日 毎日新聞
「欧米に比べて、なぜ日本ではなかなか政権交代が起きないのだろう」というのが長年、私が考え続けてきたテーマだ。無論、ここでいう政権交代とは同じ党内で首相が代わるのではなく、政権与党そのものが代わるという意味である。
理由の一つは、かつての旧社会党をはじめ野党に政権を取る気がなかったからだろう。無責任に政府を批判だけしている方が楽だったのだ。一方、自民党の政権への執着心はすさまじかった。細川・羽田政権下で野党暮らしを経験したが、1年足らずで選挙も経ずに旧社会党と連立して与党に返り咲いた例を挙げるまでもない。政権こそが党をまとめる接着剤だったのだ。
さて、本気で政権を狙う野党が出てきて、人々の間でも「政権交代」が現実味を持って語られる時代にようやくなった。
政界は今、「山本リンダ(どうにもとまらない)状況」とかで与野党通じて既に選挙に向けて走り始めている様相だが、麻生太郎首相は、いつ、衆院解散・総選挙に踏み切るか、悩み続けていると私は見ている。
何しろ、政権を民主党に取られてしまうかもしれない選挙なのだ。悩むなという方が無理である。首相が外交日程を次々と入れているのは、解散先送りへの布石かもしれない。
でも、私はあえてこう言ってみたいのだ。自民党も野党になる勇気と覚悟が必要な時代になったのだと。これまでの万年与党、万年野党の状況がおかしかったのであって、やっと普通の政治になりつつあるのだと。
「私は逃げない」と言った首相だ。そのくらいの覚悟を決めた方が、かえって国民の信頼が戻る気もするがどうだろう。