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麻生首相逆ギレ、ホテルでの飲食「安い」
夜の会合で、都内高級ホテルのバーを頻繁に利用している麻生太郎首相(68)が22日、「ホテルのバーは安い」と、セレブ感覚全開で発言した。番記者に「庶民感覚とかけ離れている」と指摘されると、逆ギレ。「ホテルが一番、人に文句を言われない」「自分のお金もあるので自分で払っている」と強調、今後もホテル通いを続ける方針だ。物価高の昨今、高級ホテルの飲食を「安い」と断言する首相の金銭感覚に、衆院選を控えた与党内からも戸惑いの声が出ている。
「夜の会合に連日、ひと晩で何万円もするような高級店に行くのは、庶民の感覚とかけ離れている」。麻生首相は22日昼、「夜会合」について指摘した番記者に逆ギレした。「高級料亭、毎晩、みたいな話で作り替えている。引っかけるような言い方はやめろ」。高級店を「高級料亭」と聞き間違えたようだが、記者が「一般の国民からすると、高いお金を払って食事する場所という意味」と言い直すまで、攻撃的な発言を繰り返した。
麻生首相は連日、執務後に帝国ホテルやホテルオークラ、ニューオータニの「御三家」など、都内の一流ホテルで飲食。レストランで食事→バーがお決まりコースだ。関係者によると、バーではブランデーや葉巻を楽しむそうだが、このホテルナイトが今、やり玉に挙がっている。
ホテルを使う理由を、麻生氏は「ホテルのバーは、安全で安いとこだという意識がある」と主張。番記者や警備担当者を引き連れており「ホテルが一番(営業妨害と)言われない」という。一方で「営業妨害して平気ですか。聞いてんだよ、今答えろよ」「うちには来ねえでくれって言われる」と、行きたい店に行けない不満があるのか、記者に気色ばむ場面もあった。
批判の発端は今月19日。都内のスーパーを視察し物価高を実感した後、帝国ホテルで飲食したためだ。「不景気なだけに、派手な飲食は慎んだ方がいい」(自民党中堅議員)との心配をよそに、麻生氏は「これからも(スタイルを)替えるつもりはない」とオレ様流。同日夜も「ホテルのバーってそんな高い所ではないと、ご存じではないんでしょうか」と、迷いもなく繰り返した。ただこの日は官邸での夕食会を終えると、都内の私邸に直帰した。
一般的にホテルのバーでは席料が加算され、ボトルキープや高級ワインをボトルで頼めば、値段次第では数万円かかることも。それを「安い」と言うのが、セレブ麻生首相の金銭感覚。公明党幹部は「庶民感覚を気取っていても化けの皮がはがれた」と、次期衆院選を控える中、有権者の反発に危機感を強めている。
[2008年10月23日9時8分 紙面から]