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【ビデオニュース、公文書管理こそが官僚支配打破の決め手】(官僚腐敗も無くなり、官僚も下らない仕事から解放される一石二鳥)
http://www.asyura2.com/08/lunchbreak12/msg/940.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2008 年 9 月 25 日 15:21:44: 4sIKljvd9SgGs
 

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080917-01-0901.html
公文書管理こそが官僚支配打破の決め手
2008年9月17日 ビデオニュース・ドットコム
ゲスト:逢坂誠二氏(民主党・衆議院議員)

逢坂 誠二氏
 ニセコ町長時代に全国に先駆けて、徹底的な情報公開と住民参加を進めた衆議院議員の逢坂誠二氏は、1年生議員ながら地方自治の実情を知る政策通として知られている。
 逢坂氏は、地方で漁業や農業などの第一次産業に加え、運輸産業や病院、福祉施設までが急激な原油高で打撃を受け、燃料の使用が増える冬の前に対策を切望する声が高まっているにもかかわらず、福田首相の突然の辞任によって、すべてが停滞してしまったと、首相の無責任な政権の放り出しを厳しく批判する。
 その逢坂氏が現在、最も力を入れているのが、公文書管理問題という一見地味なテーマだ。実は、福田首相も公文書管理の重要性に着目し、有識者会議を立ち上げていたほどだったが、国会ではほとんど問題にされてこなかった。このテーマに気づいたきっかけは、予算の詳細な内訳を各省庁に求めたところ、億円単位でのみしかデータが出てこないことだった。調べるうちに、各省庁の多くは予算の書類すら管理できておらず、予算計上の根拠が曖昧で、多くはどんぶり勘定で計上をし、金額が妥当かどうかすら検証をせずに決算を行っているという疑念がわいてきたと語る。だが、埋蔵金ならぬ、砂金のように眠る細かい無駄遣いを洗い出そうにも、現状のお粗末な文書管理では、その計上の根拠すらわからないというのだ。
 町長時代に公文書管理改革を進めた経験から言えば、適切な管理が行われ、情報公開がなされれば、有権者は政策の是非を判断しやすくなる。また、同時に管理する側にとってもメリットが大きく、行政改革が一気に進むと語る。この不適切な状況は、与党・自民党と霞ヶ関の官僚の馴れ合いから維持されてきた。逢坂氏は10年、20年先を見据え、公文書管理をライフワークにして行きたいと語る。
 逢坂氏に、地方自治の視点から現在の国政のあり方や公文書管理の重要性などを、政治ジャーナリストの角谷浩一キャスターがじっくりと聞いた。


誰も知らない省庁の決算の内訳

角谷:逢坂さんが取り組んでおられる、公文書問題について聞きたい。まず、予算情報の開示に関する問題とは何か。
 
逢坂:日本で政策の議論をするときに、予算の有無や財源が足りるか否かが議論される。しかし、本当にこの議論は正しいのか。国会で予算が議案にかけられると予算書が出るが、細かい予算の内訳が掲載されていない。百、千億円単位の積算のみでは、予算が適切なのかどうか、まったく判断ができない。
 この点に問題意識を持っていたので、省庁に財務省と交渉する際に使用する千円単位の積算の提出を求め、やっと公開をさせることができた。予算の積算がわかったので、次にこれに対応する決算の公開を求めた。しかし、細かい項目に対応する決算書を出せる省庁は日本にはおそらくないのではないかということがわかった。
 予算の項目は、部・款・項・目・節と分けられている。省庁は項までの大分類の決算は作成しているが、節レベルの決算がない。つまり、具体的に財源が足りているのかどうかは、マクロではわかるがミクロでは検証できていない。法律では項までで良いと定められているため法律違反ではないが、実務上この状態で良いのかが問題だ。
 具体的な事例をあげると、年金記録問題が起きたことを受けて、平成19年度に総務省の中に第三者委員会の事務を行うという新たな仕事が生まれた。これは当初予定されていない業務で、1年で23億円の経費がかかった。ところが、補正予算として加えられたのは8億円のみだ。残りの15億円は一体どこから捻出したのかを問うと、既定の予算から出したという答えだった。初めから大きな予算がついていたのかと思ったが、その局の予算は80億円でしかない。つまり、80億円から15億円も出せるということは、そもそも予算を水増し計上していたのではないかと考えざるを得ない。
 
角谷:本来は項目になっているはずの予算、使途が決まっているはずの80億円の中から15億円が捻出されるということは、どんぶり勘定をしているか、水増し請求をしているということになるだろう。
 
逢坂:予算・決算情報が的確に国民に出ていない。このような現状で、増税をするかしないか、財源はどこが足りていてどこが無駄であるかという議論をいくらしても、意味がない。砂上の楼閣のようなものだ。官僚が予算情報を一手に握り、都合の良い情報しか出さずに議論をさせていることの問題は非常に大きい。
 民主主義では適切な情報が出ていることが大事だ。ところが、予算情報ですら日本ではこのような現状で、文書情報・公文書についてはさらにひどい状態だ。政府はしっかりと活動を行っているか、この政策はどのような経緯で決まったのかを国民が調べようとしても、できない。
 今のような予算情報や文書管理を正していかない限りは、国会でいくら議論にエネルギーを費やしても意味がない。


公文書管理で何が変わるのか、どうすれば導入できるのか

角谷:国家の危機管理という言葉は政治家が好きな言葉の一つだが、自分の国にある文書の管理ができていなければ、国家の危機管理という議論もありえないのではないか。
 
逢坂:ありえない。文書管理をきちんと行うということは、守るべき情報をきちんと守るということと同じだ。要するに、危機管理をするということにもなる。
 また、公文書や役所の情報は公開を前提とするべきだ。いろいろなことを隠すということを前提にしてしまうと、本来秘匿すべき、絶対に漏らしてはいけない情報が表に出る可能性が高まる。公開を原則にしていれば、これだけは守るという線引きが確実にできる。情報を公開し、その記録をしっかりと残すという習慣を、日本の行政に植え付けるべきだ。
 
角谷:公文書管理に対する独立性は、どのように作っていく方法があるか。
 
逢坂:たとえば、会計検査院は独立して業務を行っている。そのような形を取るべきであって、行政を行っている当事者に文書管理をさせてはいけないと思う。
 
角谷:省庁と公文書管理の機関を分離させることで、人員の削減や公務員の効率化は可能か。
 
逢坂:可能だ。文書管理を行うことは究極の行政改革につながると思っている。以前町長を務めていたニセコ町で、職員から書庫が狭い、事務スペースが無いから役所を増築して欲しいなどの要望が毎年予算要求のときに出ていた。ところが、文書管理を導入したら、執務室にある書類の9割が不要な書類だった。それを全部排除したら、執務室のスペースを確保できるようになり、自分のやるべき仕事が明確になった。また、書類を検索することもなくなり仕事の効率が上がった。
 
角谷:ニセコ町では、公文書管理の方法を変えるためにどれくらいの時間がかかり、どのような努力をしたのか。
 
逢坂:公文書管理のあり方を変えるということは、公務員の仕事のスタイルを変えるということだ。役所に入ったときから植え付けられた「公務員のDNA」とでも言うべき部分を変える必要がある。「情報はなるべく出さないほうがいい」と教えられて10年、15年と仕事をしてきた方にとっては、いきなり情報公開といっても簡単には行えないだろう。時間をかけて議論し、DNAを変えるプログラムを組む必要がある。
 公文書管理の体制を導入するだけならば、1〜2年で行うことができる。しかし、長年古い文書管理をしてきた方からの抵抗が必ず起こる。最初から新たな文書管理体制の下で働き、当たり前のこととして文書管理を行う職員がせめて5年から10年仕事の経験を積むようになれば、役所の中は随分変わる。その後は、自動的に変わっていく。
 
角谷:逢坂さんはすでに公文書の管理体制をニセコで実験して実現し、可能であることを実証した。これをどう国政に生かし、浸透させていくのか。
 
逢坂:公文書管理や情報公開について、ニセコ町が人口4200人で小さい役所だからできたことだとよく指摘を受ける。それに対しては、どんなに大きな役所であっても、たとえば局・課・係と小さなレベルへ切り下げて考えてくださいと答える。全体の局でできないとするならば、係でできないのか。係レベルではできるはずだ。そして、一つの係ができたことが隣の係ではできないのか。隣の係でもできるはずだ。このように考えていけば、結果大きな組織でも実現は可能だと考えている。
 
角谷:その実験が成功しているのだから、どんな大きな組織でも実現が可能ということだ。しかし、政局が動揺している中でも霞ヶ関だけは、「いつもの首のすげ替わりか」と高みの見物をしているのが現状だ。この構造を変えるにはやはり、政権交代しかないのか。
 
逢坂:政権交代が必要だ。なぜなら、公文書管理は、既得権益と結びついている人にはできない仕事だからだ。今まで権力を持ってきた人間と遠い人がやるべきであり、逆に言えば、権力と結びついていない人でないと行うことができない。そして、公文書管理を行うことが日本の民主主義を進化させる原動力に間違いなくなると思っている。
 公文書管理を行うことで何よりも一番大事なことは、主権者である国民が、政治の実態や行政の実態をしっかりと知ることができるようになることだ。

 

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