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http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20080917AS1K1700117092008.html
反民営化の野党合意は筋違い(9/18)
民主党と国民新党が郵政民営化の見直し案に合意した。民主党は次期衆院選の政権公約に、郵政事業を4つに分社した体制を見直す方針などを明記する。旧特定郵便局の集票力に期待する民主党が反民営化の国民新党に歩み寄った。行政改革の徹底を主張する民主党が「官から民へ」の改革を逆戻りさせる公約を掲げるのは、矛盾した態度ではないか。
小沢一郎民主党代表と綿貫民輔国民新党代表の合意文書は、野党優位の参院で可決した日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式売却を凍結する法案を衆院でも通し、速やかに成立させる方針を示した。郵政事業を4つに分社した現体制を見直して「郵政三事業の一体的サービス」の提供を保障することもうたった。
この結果、全国郵便局長会が参加する政治組織の郵政政策研究会が、国民新党の推薦を受けた民主党候補を全面支援する。民主党と国民新党は合併に向けた最終調整に入った。
郵政民営化は2005年の衆院選で民意の圧倒的な支持を得て決着がついている。昨年10月からは日本郵政と3つの事業会社が民間会社として業務を始めている。株式売却の計画が変われば、郵政各社の現場や金融市場に混乱を来しかねない。
民主党が郵政票を目当てに反民営化を掲げるのは、主張の一貫性を欠く。郵政民営化の原点は「官から民へ」である。政府の信用を盾に郵貯などが巨額の資金を集め、「出口」の財政投融資を肥大化させたことに、国民は強い拒否反応を示した。
小沢代表は次期衆院選に向けて、特殊法人や特別会計の「原則廃止」を明言した。最低保障年金や農家の戸別所得補償などの財源も、官のスリム化によって「十分に出てくる」と語った。官業肥大の象徴である郵政事業の民営化を逆戻りさせるのは明らかな矛盾であり、改革政党どころか守旧政党と呼ばれても仕方がない。民主党には前原誠司副代表など、票を目当てにした国民新党との連携に疑義を唱える勢力もある。
地域の郵便サービスが低下したとの声に配慮は必要だが、まずは日本郵政が独自で取り組む郵便局の業務改善策や、政府の郵政民営化委員会で向上を目指すべきだ。民営化を後退させるのは筋違いではないか。