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「誰でも入れる」保険の真実(上)
<続き>
このように「損害保険」であることがわかれば、この商品の「特長」とやらが、長所でもなんでもないことが明らかになります。
たとえば「不慮の事故」で大けがをする確率は、年齢も健康状態もあまり関係がありません。
むしろ、体が悪くて寝たきりの人のほうが、確率はずっと低くなるでしょう。
したがって、加入の際に医師の診断がいらないのも当然のことだ、といった具合です。
私の場合、仕事柄、CMを見るにしても、「中高年の加入者を集めて、安い保険料で手厚い保障を提供する商品など無いはずだ。」
という前提でチェックしていきますから、「おいしそうな話のウラ」に気がつくのは、時間の問題です。
実際、CMの冒頭、一瞬ですが「長期保障傷害保険」という商品名を確認することが出来た時には、
「やはりそういうことか」とうなずいたものです。
しかし、一般のお客様はどうでしょう。
まず「中高年者が加入できる事実」と「医師の診断の有無」について触れられることで、
「病気がちな人でも入れる『医療保険』」を期待してしまう方が大半ではないでしょうか。
事実、私のお客様に「あの保険は『損保』です。
病気で入院したら1日につき1万円、といった商品じゃないんですよ。」と説明すると、びっくりされます。
CMは「資料請求件数」の多さを誇示するようにして終わりますが、
資料を請求した人のうち、どれだけの人が理解をしていたのでしょうか。
安い保険には、安いだけの理由があるのです。
次回は、同じように「誰でも入れる」をうたう医療保険を取り上げます。
http://www.asahi.com/health/seiho/TKY200806240233.html