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興毅怒った、メキシコで220万円盗難被害
計量でシャツを破る亀田(撮影・水谷安孝) 【モンテレイ(メキシコ)29日(日本時間30日)=オルランド・ソト通信員】また亀田一家が狙われた! WBA世界フライ級1位の亀田興毅(21)が滞在先のメキシコで盗難被害に遭った。30日(日本時間31日)に予定されるメキシコ2戦目の開催地モンテレイで、28日に宿泊ホテルの部屋に侵入され、ロレックス社製の高級腕時計や現金など約220万円相当を盗まれた。亀田一家のメキシコでの盗難被害は昨年8月に続いて2度目。今回は年末にも予定されるWBC王者内藤大助戦を見据えた大事な世界前哨戦直前のトラブル。一夜明けた29日の計量では、怒りのパフォーマンスで気持ちを切り替えた。
現地時間28日、メキシコ第2の都市モンテレイで事件は起きた。同国第2戦のモンテス戦を前にした会見に出席後、亀田が宿泊先のホテルの自室に戻ると、部屋は荒らされ、スーツケースが転がっていた。すぐに貴重品を確認したが、大事なロレックス社製の腕時計や現金などが消えていた。被害は約220万円にものぼった。
事件当日、亀田は午後0時から記者会見に出席。部屋を不在にした昼間の数時間の間に、何者かが侵入した。大会の主催者が用意したホテルで、安全を疑っていなかっただけに、ショックは大きい。現地プロモーターは「宿泊者に対する完全な侮辱。メキシコ人がこんな人間だと思われたくないので、お金は自分が返したい」と神妙に話した。
亀田一家のメキシコでの盗難被害は2度目。昨年夏にもメキシコ市の空港で、亀田のパソコン、父史郎氏のビデオカメラなど、約100万円相当の品物が盗まれた。当時は空港という公共の場だったが、今回は自らの部屋への侵入。部屋番号で名前を特定され「狙い撃ち」された形だ。
亀田家とメキシコとの関係の深さが裏目に出た可能性もある。昨年6月から三男和毅(ともき=17)がアマ大会出場のため長期間滞在。亀田はもちろん、次男大毅も何度も同国で合宿を張ってきた。現地のメディアにもたびたび取り上げられ、日本ほどではないが知名度も上がっていた。日本の10倍以上の犯罪発生率で世界一治安が悪いともいわれる同国で、狙われても不思議ではなかった。
盗難事件の翌29日(日本時間30日)、試合前日の計量に亀田はショックを隠し、気持ちを切り替えて臨んだ。名前を呼ばれると、体重計に乗る直前、着ていたタンクトップを脱ぎ、一気に引きちぎった。昨年10月の反則騒動以来、計量では「大人の態度」を貫いていた。だが、盗難犯への怒りがふつふつとわいてきたのだろう。怒りのパフォーマンスとなった。
メキシコでの試合は先月12日に続き2戦目。東京で行われた同30日のダブル世界戦直後にはリングに乱入し、WBC世界フライ級王者内藤大助に挑戦を直訴した。因縁対決を実現するためにも今回は内容を問われる一戦になる。「世界戦に向け、フライ級最強といわれる試合を見せたい」。大事な世界前哨戦前の盗難事件となったが、ショックはリングの上で振り払う決意だ。
[2008年8月31日8時48分 紙面から]
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